テレンス・リー 〝非常〜に危険です!〟|賃貸経営|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2016.11.16

テレンス・リー 〝非常〜に危険です!〟

テレンス・リー 〝非常〜に危険です!〟
10万円で人生を失った人間の話

 皆様も一度はこんな経験はないだろうか?赤信号を渡ってしまった。借りたものを返さずにいた。知らず知らずに他人に迷惑をかけてしまったことは誰にでもあると思う。
 今回の記事は政治家の政務活動費の不正受給や白紙領収書などの事件とは類の違う話である。
 たった10万円で人生を失った人間の話である。
 住生活新聞にも何度かコラムを連載してもらっているタレントのテレンス・リー(本名・加藤善照)被告は今年7月の参院選で立候補者の応援演説をして報酬を受け取ったとして、公職選挙法違反(被買収)に問われていた。10月31日に東京地裁は、懲役10月、執行猶予2年(求刑・懲役10月)の有罪判決を言い渡した。判決によると、参院選公示後の6月、政治団体「幸福実現党」から東京選挙区に立候補して落選した男性の応援演説をした見返りに、計10万円を受け取った。
 このような有罪判決を受けたテレンス・リー(本名・加藤善照)被告から編集部に1通の手紙が届いた。
 タイトルは『冤罪』。
 今回送られて来た手紙で、私が正しいとか間違っているという類のものではないと思っている。そこには、一人の人間の魂の叫びが綴られている。以下がその手紙の文面である。






歴史上、謀略で葬られた政治家、官僚、武人は数知れず、しかも能吏ほど憂き目に遭う可能性が高い。嫉妬や恨み確執に権力闘争と理由はいろいろあるが、その謀略戦にもっとも有効なのが冤罪。すなわち無実の罪で仇敵を陥れることである。
 現代社会でも冤罪の罠はあちこちに巡らされている。出世や更迭の日常茶飯な大企業や組織ばかりではない。数年前には関西地方で痴漢を装った美人局事件があったが、首都圏の通勤電車には「この人!痴漢です!」と大騒ぎして、多額の示談金を要求する女子高生、女子大生グループが数多くいる。マスコミや世論はセックススキャンダルを狂信的に扱い、病的に十字砲火を浴びせかける。この体質を考えれば数十万円の示談金は痛くも痒くもないはずだ。大多数の偽善者どもが正義面を曝して、芸能人の不倫疑惑に狂乱する姿は、正に現代日本人の特性といえるだろう。

 さて、話題はいきなりシリアスになるが斯く言う私も何度か冤罪に嵌められ辛い体験をした事がある。御存知の読者もいると思うが、一度目はアイドル志望の変態オタクに「凌辱された」と三流写真週刊誌に売られ(結局翌々週号でヘアヌード写真を公表して計画は露見)、二度目は移籍した芸能事務所のオーナーに、所在するモデルたちの人気を奪われたことからヤキモチをやかれ、仲の良かったモデルと一緒に、某スポーツ紙にスキャンダル記事を持ち込まれた。
 こんな瞬間は芸能人にとってはむしろ勲章みたいなもので、強姦や薬物で問題を起こしたならともかく、ネットのアンチが狂喜する程度のクソネタに過ぎない。
 ところがだ……この瞬間に巻き込まれているスキャンダルはスケールとレベルにおいた濃度がまったく違う。私の芸能人、評論家人生を奪うどころか、人命そのものを奪われる危険性すら秘めている。
 既に、ニュースなどで話題となっているが、大恩ある方よりの依頼を受け、まったく知らぬ間に大疑獄事件の主犯にされてしまったのである。大疑獄事件・・・すなわち政治犯であるが、生半なことで名誉を回復できるものでは到底あり得ない政治事件である。
 私を利用し、裏切ったのは、我が命よりも大切に思っている恩人である。それほどの人物でも自己の利益や出世、執着のためには、平気で人を売り、見捨て、人柱にすることができるのだ。
 実に、実に、何とも実に悲しく、情けない答えで本当に申し訳ないのであるが、それは究極的には「自分自身も信じてはならない」ということにつきる。
 この荒れ狂う大疑獄事件から生還できた暁には、読者の皆様により進化した人間管理のお話ができることを祈っている。






 以上が手紙にあった言葉のすべてである。
 この様な有罪判決後だ。今後、テレンス・リー氏へのテレビの依頼や講演の依頼は無くなるであろうし、生活もままならない事も出てくるだろう。
 テレンス・リー氏に、この言葉を送りたい『窮鼠猫を噛め!』
〈住生活新聞 記者〉
テレンス・リー 〝非常〜に危険です!〟