民泊解禁とマイナス金利で活気づく中古不動産市場|不動産|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2016.08.01

民泊解禁とマイナス金利で活気づく中古不動産市場

民泊解禁とマイナス金利で活気づく中古不動産市場
空家空室の現状

 現在、820万戸が空き家と言われ、2033年には2150万戸、3軒に1軒の割合で空き家になると予測されています。これは、少子化と高齢化に加え、空き家の対策が遅れてしまったことが、原因と考えられています。
 その現状を認識し、既に存在する空き家を活用することが求められています。
 新築が良いという価値観を変えていくことが大切です。おしゃれな中古住宅へのリノベーションや個々の生活に合わせた付加価値を加えること、新たな活用を考えることによって、素晴らしい価値を生む資産になることを知ることが、今後の住宅を活かすことへ繋がっていくのだと考えます。
 広さと間取りや収容人数ではなく、どのように、誰とどんな生活がしたいのかを考えて住まいを考える。
 ハード的な側面からソフト的な側面へ住まいの質や活用法、住まいのあり方への提案が求められています。

空き家の活用 民泊
民泊解禁へ向けて備えるべきこと


 従来は賃貸住宅としての活用を行ってきた不動産に新たに民泊での活用という可能性が見えてきました。民泊解禁に向けて、空き家活用への注目も集まる中、全国の4月1日の民泊解禁の状況を確認しながら、早めに準備をしておくことが必要だと考えます。
 現在、賃貸で利用している場合の利益と比べて、民泊として利用することで、利益が増大し、50%以上の利回りを計上する可能性もあります。
 今までの不動産の利回りでは考えられない市場が広がりつつあることを認識し、現状を知ることから始めていくことが、大切です。
 そのうえで、不動産物件のリフォームの費用試算、収益予測、活用方法、運用管理についてなど、早めの理解が必要だと思われます。
 また、大東建託不動産、ホームズ、アドベンチャー、大京、アパマンショップなどのように、収益率を考え、多くの事業者が新たな民泊事業へ乗り出すことが予測されます。
 2016年は民泊解禁年です。内容を理解し、民泊解禁の動きに合わせて、柔軟に対応することが必要だと思います。
 そのひとつとして、今まで動いていなかった中古住宅を新たな市場価値のある資産へ生まれ変わらせることが大切です。2015年5月に空き家対策特別措置法が施行され、不動産を無くすのか、活用するのかという選択に迫られています。
 民泊の利用は海外からの旅行者が多く利用することが考えられ、日本への訪日外国人は2016年1月推計で前年同月日52%増の約185万人(日本政府観光局発表)となっていて、益々の増加とホテル・旅館の不足が確実になっています。
 では、どのような物件が適しているのかというと、訪日外国人が重たい旅行用トランクを持って訪日することから、戸建、エレベーター付きの区分所有マンション、駅から徒歩10分以内が好まれているようです。
 以前は、渋谷・新宿といった海外に名前の通った駅周辺に需要がありましたが、最近は商店街のある街で駅に近い物件などへの広がりも始まってきています。
 リノベーションをして空き家の新たな価値を見出すことが新しい動きとなっていくと考えられます。
民泊解禁とマイナス金利で活気づく中古不動産市場
民泊とは
民泊は国家戦略特別区域法の旅館業法の特例です。国家戦略特別区域法13条の規定に沿ったものです。民泊とは法律的には、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業とされます。大阪府に続いて大田区も条例が施行されました。

執筆者 川久保 文佳
一般社団法人 空家空室対策推進協会 代表理事
(空家空室対策推進を図り、地域との連携を図り、生活環境の保全、空家空室の活用に寄与することを目的としています。)
株式会社エアロスペース 代表取締役
ビーモア株式会社 代表取締役