日本人よ、もういい加減目を覚ましてくれ!|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2017.02.13

日本人よ、もういい加減目を覚ましてくれ!

LINEが運営する提言型ニュースサイト「BLOGOS」の2016年9月19日付に、「私は健康保険制度と年金をすべて解体すべきだと考えています」「(日本の多くの人工透析患者は)バカみたいに暴飲暴食を繰り返す。腹は出る、腰は痛める。周囲に注意されているのに無視。それでも食べ続け、運動もしない。周囲は必死に注意。でも無視。で、糖尿病になる。にも関わらず、運動もしない、食事も先生から言われたことをろくに守らず好き放題」という記事が掲載され物議を醸した。
 執筆者は元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏である。後に、この記事は「BLOGOS」編集部が長谷川氏のブログより転載したものだと釈明、削除されたが、読者からは「透析患者への誹謗中傷」「事実誤認」「天下の暴論」と容赦ない批判が浴びせられた。
 また、そうした批判に呼応するように全国腎臓病協議会(全腎協)が発言の撤回と謝罪を求めたが、長谷川氏は「そもそも私の文章を読まずに出している」「どこを訂正しどこを直すかが何も書いていない」として、その求めに応じないことをはっきり表明した。

 これら一連の騒動が原因となり、すべてのレギュラー番組を降板させられるに至った長谷川氏だが、自身のブログで「先天的な遺伝的理由で人工透析をしている患者さんを罵倒するものでは全くありません」とした上で、国民の血税が誤った医療システムで無駄遣いされていることに警鐘を鳴らしている。
 弊紙編集部は、その真意を質すため長谷川豊氏に寄稿を依頼した。
日本人よ、もういい加減目を覚ましてくれ!
日本人よ、もういい加減目を覚ましてくれ!
~人工透析患者に対する提言の真意~
 昨年末の12月19日。日経新聞がずいぶん力の入れた特集を掲載した。
 新連載『砂上の安心網』から『高齢者医療、チェックなき膨張 2030年 不都合な未来』と題した非常に力の入ったルポである。言論サイト『アゴラ』でも池田信夫氏が紹介していたが、これが実に力の入った特集だ。
 現在の日本の予算は?
 多くの方々が答えるだろう。「え?こないだニュースでやってたじゃん」「97兆円でしょ?」これは正しくは正解ではない。日本の予算は大きく分けて2種類あり、ひとつは政府に裁量の任された予算である「通常予算」。
 しかし、逆に最初から使い道が決まってしまっており、どうにも動かすことのできないもうひとつの「特別会計」という予算が存在している。そして、これらは「動かせない」ことをいいことに、関係省庁や政治家の利権まみれのブラックボックスとして活用されているのが現実だ。
 私はキー局でアナウンサーをしている時分から、この特別会計の闇については数十回にわたり特集を組んできたが、私はこの特別会計が日本最大の闇だと主張している人間だ。
 日本の予算は確かに97兆円だが、特別会計を加えると、実は日本政府が国民から巻き上げているお金は年間で約220兆円程となる。ネットなどで調べると「もう少し多いはずだ!」と言いたくなる人もいるはずだが、これは少しかぶっている部分があるために起きる勘違いで、正確には1年間でおよそ220兆円と思ってくださればいい。
 その年間220兆円巻き上げているお金のうち114兆円が「社会保障給付費」に使用されている。信じられるだろうか?なんと国家予算の半分以上だ。
 結局、年金やら医療費やらその大半が75歳以上に使われる「社会保障給付費」に回されているので若者に全然回らない。子供たちに全然回らない。お金がないので子供も産めない。いや、その前に結婚なんて到底できない。大好きな人に対して「君を幸せにする!」なんて無責任な発言は到底できないからだ。
 例えば、欧米諸国ではすでに意識を失った高齢老人に対して、チューブを挿管してただ心臓を動かすような医療をしたら即時「老人虐待」で逮捕な国すらある。当然、そんなものに若者のお金は使わない。
 が、日本では「高額医療費制度」と言って「高い医療費は税金を使っちゃいましょう~」という信じられない制度が出来てしまっており、若者たちから搾取したお金を意識など完全にない寝たきりの老人の鼻から突っこまれたチューブのお金に垂れ流しになっている。
 当然、自民党に必死に献金をし続けている日本医師会と製薬会社がぼろ儲けしている状態が垂れ流しだ。
 私には子供が3人いる。私は親にも愛情をたくさん注いでもらって育てられたので、私も子供たちの世代の礎になりたいという思いが強い。が、私たちの世代の、今の日本をそのままで子供たちに渡すことなどできるだろうか?
 日経新聞の社会保障給付費のシミュレーションの通り、2030年には社会保障債務が2000兆円に達するという示唆すらあるほどだ。
 そもそも、1961年(昭和36年)に出来た社会保障のシステムが、2017年(平成29年)の現在に適応出来るわけがないのだ。そんな当たり前のことを「次の選挙に通りたいだけの政治家」は絶対に言わない。みんなにいい顔をしたいだけの政治家は、息を吐くようにウソをつき続けている。こんなことで子供らに対して僕らの世代は顔向けできるのだろうか?
 自信を持って言えるのか?「君らの親だぞ」と。そろそろ真剣に向き合うべき時期だ。
 なお、今の年金や保険制度が出来た1961年の日本人の平均寿命だけ、最後に記しておく。男性65歳。女性70歳だ。そんな時代のシステムが今後も持つかどうかくらい、賢明な読者諸氏はお分かりになることだろう。
長谷川 豊
1975年生まれ、奈良県出身。
フリーアナウンサー。
立命館大学産業社会学部卒業後の1999年4月にフジテレビ入社。G1レースをはじめ、競馬実況中継を担当する傍ら、朝の情報番組『情報プレゼンターとくダネ!』のリポーターとして活躍。現場取材1700回以上。スタジオでのニュースプレゼン2500回以上。同番組の12年間連続同時間帯視聴率1位に貢献する。
ニューヨーク勤務時はスペースシャトルのラストフライトをはじめ、全米22州に取材。2010年中間選挙では民放局で唯一、オバマ大統領の直接インタビューに成功。また、2012年スーパーボウルでは、アジア人として初の試合終了直後のリポートを務め「Sports Illustrated誌」のトップページ写真を飾る。フジテレビ退社後に始めた個人ブログは19日間で2400万PV・330万人来訪という日本記録を樹立した。


 どのような意見にも賛否はある。だが、背景にある真意を問わず賛否を論ずることは危険だ。バイアスがかかったまま伝言ゲームをすれば、実像とかけはなれた虚像が肥大化し、ついには制御不能となってしまう。長谷川氏への中傷や嫌がらせは家族にまで及び、猥褻な図画や玩具を送りつけられるという、三次元の脅威にまでエスカレートした。
 長谷川氏も「論には論で」と冷静な対応を促しているが、情報過多の時代には個々人が「木も森も見る」ことを心がける必要があるだろう。