ホームページを優秀な営業マンに変えた驚くべきWeb戦略|住生活新聞 記者の目|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2018.06.04

ホームページを優秀な営業マンに変えた驚くべきWeb戦略

ホームページを優秀な営業マンに変えた驚くべきWeb戦略
Webの自然集客だけで年間3100件の問い合わせ

-お金をかけて綺麗なホームページを作ったものの、思うような反響が得られなくて困っている-こんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?どうすればホームページで反響を得ることができるのか、リフォーム業界専門のWebコンサルティング会社であるJACOF(神奈川県横浜市)を率いる大久保誠二社長に話を伺いました。

マニアックなキーワードを利用したロングテール戦略

 -3100件-これは昨年度、JACOFがコンサルしたある外装工事会社がホームページから受けた問い合わせの数です。しかも驚くべきことに、宣伝広告は一切行わず、Webの自然集客だけでこれほど多くの反響を得たそうです。広告宣伝をしてないホームページにどうしてこれだけ問い合わせが殺到したのでしょうか?
 大久保社長によると、ポイントは大きく2つあるそうです。1つは「ロングテール戦略」です。ホームページのSEO対策では普通、もっとも検索されやすそうなビッグキーワードが利用されます。リフォーム関連のホームページの場合は、「リフォーム」や「リノベーション」などがそれに当たります。一方、ロングテール戦略では、検索される機会が少ないと考えられるニッチなキーワードをあえて利用してSEO対策を行います。なぜこうしたやり方で反響数が増えるのかと言うと、ここ数年で一般消費者の検索技術が飛躍的に進歩したためです。
例えばラーメン屋を探す場合、みなさんはどうやって検索をしますか?単に「ラーメン」とだけ入力して検索する人は、まずいないのではないでしょうか?おそらくほとんどの方が「ラーメン」というキーワードに加えて、具体的な場所や味、値段など、できるだけ詳細な情報を組み合わせて検索すると思います。そうして出てきたホームページの中から、自分の好みに合ったお店を選ぶわけです。
これはリフォームも同じです。「リフォーム」という言葉にプラスα、工事をする場所や交換したい設備、好みの色、デザインのテイスト、価格、時期など、具体的なキーワードをいくつも組み合わせて検索を行い、出てきたホームページの中から自分の希望を叶えてくれそうな業者を選びます。つまり、「リフォーム」という言葉だけでSEO対策をしても、意味をなさないわけです。むしろ、無数にあるマニアックなキーワードをできるだけたくさん、色々なページに埋め込み、情報を充実させたホームページの方が検索に引っ掛かりやすくなるのです。少数キーワードは単体で見ると検索回数は少ないですが、全体を合わせるとビッグキーワードと比較にならないくらい多くなるのです。これが「ロングテール戦略」に則ったSEO対策の考え方です。

反響を増やすためには実務を知ることが重要

2つ目のポイントは、リフォームの実務に精通していることです。実は先述した外装工事会社のホームページの運営・管理は、Web専門の業者に外注せず、社内に設けられた専門部署で行っています。つまり外装工事の実務に精通したスタッフらが、日々更新作業などを行っているのです。リフォーム業者の目線だけでなく、実際に接してきた多くの顧客の生の声を吸い上げ、それを情報としてホームページの中に散りばめているからこそ、多くの反響が得られているのです。もしもこれをホームページの制作会社に丸投げしていたらどうなるのでしょうか?見た目にとてもキレイなホームページはできるかも知れませんが、おそらくこれほど多くの反響を得ることはできません。なぜなら、制作会社はリフォームの実務や消費者の困りごとについて何の知識もないからです。ロングテールの理論も実務を知らなければその効果を発揮することはできないというわけです。
 一般的に、ホームページのヒット率は0.3%あれば優秀とされていますが、この外装工事会社の場合はこれが1.17%もあります。つまり1万件のアクセスがあれば120件の問い合わせがくるということです。ビッグキーワードを用いたSEO対策をしたところで、これだけの反響率を実現することはおそらくできないでしょう。長い時間をかけて、16万8000ものキーワードをホームページの中に散りばめてきた成果なのです。