どんなことにも注意深く、また大胆に話をする。芸能界で長く活躍できたのはその洞察力があったからかもしれない。商売や事業主に興味があるという杉原さん。投資にも独特の感性があるのではと聞いてみた。
－専門的なことについてもいくつか聞かせてもらいたいと思います。例えば株の銘柄はどんな基準で選ぶのでしょうか。話題性やニュース性、経済動向、新規公開株、アナリストの論評など、参考にしているものはあるのでしょうか。
杉原 私は、他の投資家さんみたいに知識がある方じゃないので、自分が好きなジャンルのものしか基本的に買わないことにしています。例えば、私はゲームがすごく好きなので、ゲーム関連の株を探す場合、アップルストアに毎日載っているランキングを見ます。1位とか2位のものではなく、50位ぐらいまで上がってきたものがあればすぐに買うようにしています。ちょっと賭けなんですけど、ニュースとか新聞に載っちゃったらみんなが知り得る情報になるので、ランキングとかを見て目星を付けて買うっていう方法をやっています。株って下調べを相当しないと、ニュースに出ると逆に下がるので注意しています。
－自分が興味ある銘柄を選択するということもあるかと思いますが、逆に円高なるのか円安になるのかなど、為替を見たりはしないのですか。
杉原 それももちろん、トヨタさんの株とか買っている時はすごく見るんですけど、大きい株は毎日動きが少ないので、どっちかといったら毎日動きのある新興銘柄ばっかりに気を取られています。
－今までは自分が興味のある株で、よく知っている分野で購入すると、傾向的に上手くいっているということですか。
杉原 まだ上手くいっていますね。
－何銘柄ぐらいお持ちなのですか。
杉原 今は10銘柄ぐらい持っています。その内の半分位は1週間位で動かすような株で、もう半分は大きい株っていう感じです。
－配当が欲しかったり、優待券が欲しくてという方もいらっしゃいますけど、そういうとこでは全然考えないのですか。
杉原 全然ないです。むしろ権利日の前になるとちょっと上がって、権利日過ぎちゃうと落ちるので、私は配当を気にせずに権利日なる前に利益確定しちゃったりします。チャート的には高いので。
－先物やオプションになると、もっと大きな利益になることもあるかと思いますが、そういう商品に手を出そうと思ったことはなかったのですか。
杉原 先物とかはギャンブル性がより高いし、ちょっと女の子がやるには危険なんじゃないかなって。やっている人達が助言をしてくれるので、もっと知識を付けてからでもいいかなって思っています。
株をされている方の行きつくとこが先物になるらしくて、「先物を知っていれば株も分かるよ」みたいなことを言われています。「知っている方が得だよ」とか、私のカメラマンさんとかもやっているから言われるんですけど、まだちょっと。
先物は、商売でいえばレバレッジ（てこの原理）が効くので、商売を1店舗から始めるのではなく、借り入れをして10店舗のオーナーから始めるようなものである。何にでも新しいことに取組む姿勢の杉原さんだが、投資に関しては手堅い。でも何よりも流されない投資スタンスというのが、一番の魅力かも知れない。
にこやかに話す杉原さんを前にしていると、ついつい投資の取材をしていることを忘れてしまう。 次回、「良いときばかりじゃない。損した時の対応方法とは」につづく。
