損をしない住まいづくりとは?賢い補助金制度の使い方|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2018.11.12

損をしない住まいづくりとは?賢い補助金制度の使い方

損をしない住まいづくりとは?賢い補助金制度の使い方
まだまだご存知ない方も多いリフォームを対象にしたさまざまな補助金・助成金制度。しかし、「どんな内容の工事をすれば良いのか」あるいは「どのくらいの金額がもらえるのか」など、不明な点が色々とあります。今回も前回に引き続き、補助金・助成金制度を活用したリフォーム事例をご紹介します。リフォームを検討されている方は是非、参考にして下さい。

 神奈川県相模原市の住宅街。昭和50年代に建てられた戸建住宅が密集するこの場所に、今回ご紹介するAさんのお宅があります。
 建物は築40年の木造平屋で、延べ床面積は約50㎡。もともとAさんのご両親が暮らしていましたが、二人とも老人ホームに入居したため、空けておくのはもったいないからと、夫婦で移り住むことになったそうです。
 ところが実際に暮らしてみると、さすが築年数が経っているだけのことはあって、あちらこちらに傷みがあることが分かりました。過去に一度も修繕をしたことがなかったため、設備も相当古くなっていました。そこでAさんは、高校時代の友人で、地元で工務店を営んでいるBさんにリフォームについて相談しました。
 現地を訪れたBさんが一目見て気になったのは、設備の古さや傷みよりも、非常に重たい土壁や土葺瓦が使われている点でした。40年も前の建物だから設計は当然旧耐震基準。これでは大きな地震が来たら倒壊してしまうかもしれないと考えたのです。案の定、住宅診断をしてみたところ、結果評点はわずか0.25しかありませんでした。そこで今回のリフォームは耐震補強を最優先にしつつ、生活しやすいように設備を最新のものに入れ替える方向で進めることになりました。傷んだ箇所の補修や設備の交換に加え、耐震補強まで行うとなると普通であれば1000万円はかかってしまいます。そこでBさんは、補助金を利用することをAさんに進めました。主なリフォーム内容は次の通りです。

・壁の内部を構造用合板で補強し耐震性能を上げる
・躯体の接合箇所を耐震金具で補強
・断熱性能を上げるために壁と天井にグラスウールを仕込む
・サッシを複層ガラス対応にし、断熱性と気密性をアップ
・浴室、キッチン、トイレなど、水回りを一新 など

工事費用は約1000万円でした。今回は耐震工事と省エネリフォームを同時に行ったため、「木造住宅耐震補強補助金」と「長期優良リフォーム補助金」という2つの補助金を利用しることができました。それぞれ115万円と100万円の補助金を受け取ることができた結果、Aさんの実質的な負担は785万円で済みました。全費用の4分の1近くを補助金で賄うことができたそうです。工事後、改めて住宅診断を行った結果、評点は1.69まで大幅に上昇。これなら大きな地震が来ても簡単に倒壊したりすることはありません。断熱性能も大きく向上したため、冬の電気代も2割近く安くなったそうです。

 続いては、介護リフォームと耐震補強工事を組み合わせたCさん宅の事例をご紹介します。建物は木造2階建てで延べ床面積が42坪。平成5年築ですので、それほど古いわけではなかったのですが、たまたま無料耐震診断を受けられる機会があったため試してみたところ、0.44と診断されました。ご夫婦がともに80歳と高齢だったこともあり、思い切って1階部分のバリアフリー工事と一緒に耐震補強もすることになりました。

・1階の和室と縁側を一つにして寝室にし、さらにバリアフリー化
・寝室には介護ベッド2台を設置
・門、玄関、浴室などに手すりを設置
・寝室やリビングなどを耐震補強

 かかった費用は全部で440万円だったそうですが、介護保険と補助金で55万円、住宅エコポイントで9万円の補助を受けることができたため、差し引き376万円がCさんと実質的な負担となりました。補強工事の結果、評点は1.15にアップしました。これで耐震性についても心配なさそうです。

 一度のリフォームで利用できる補助金・助成金制度は一つとは限りません。耐震やバリアフリー、省エネなど、色々なリフォームを組み合わせることで、一度に複数の制度を利用することもできます。みなさんもご自宅をリフォームする際には、是非、補助金制度の利用を検討してみて下さい。ご相談はお近くの全国優良リフォーム会員まで。
損をしない住まいづくりとは?賢い補助金制度の使い方