レオパレス21、前代未聞の不祥事~経営破綻へのカウントダウンは始まったのか?~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2019.03.11

レオパレス21、前代未聞の不祥事~経営破綻へのカウントダウンは始まったのか?~

レオパレス21、前代未聞の不祥事~経営破綻へのカウントダウンは始まったのか?~
1500棟以上で施工不良が発覚

 去る2月7日、耳を疑うような驚くべきニュースが賃貸業界を駆け巡った。レオパレス21の施工不良物件が、33都府県で新たに1324棟も見つかったというのだ。発表によると、当該物件の入居者の数は合計1万4443人にも上り、同社はこのうち天井の耐火性能が不足する641棟7782人について、速やかに転居することを要請。残りの入居者についても、費用を負担する形で別物件への転居を促していくという。昨年5月に第一報が報じられてから約9カ月、施工不良物件の数は当初の206棟から大幅に増えて、合計1530棟になった。
 「平成」最後の年に発覚した賃貸アパート大手による前代未聞の不祥事。驚きの声が上がる一方で、「やっぱり」「去年は氷山の一角。こうなるのは目に見えていた」という意見も数多く聞こえてくる。そもそもレオパレスの物件の質の悪さを指摘する声は、以前からあった。「2、3室隣の部屋のインターホンが聞こえる」「上の階の住人の足音がうるさい」など、ネットをたたけば不満の声は山ほど出てくる。どれもこれも手抜き工事が原因だったと考えれば頷ける。ある不動産業者は、「以前はよくレオパレスの物件を紹介していましたが、入居者からのクレームがあまりに多いため止めました」と話す。一部では「たったの1530棟?」と、全棟調査の実施実態について疑問を呈する声も上がっている。同社の物件を施工するある業者は「全棟まともに調査したら、こんな数では済まないはず。程度の差こそあれ、8割近くの物件で不具合が見つかるはずだ」と証言する。仮にそのような事になれば、倒産という最悪の事態も現実味を帯びてくる。

トップとしての資質に疑問 深山社長の発言

 それにしても呆れるのは、同社が東京本社で行った記者会見での深山英世社長の発言だ。「施工不良は現場の判断でやった」と、経営陣の関与を完全否定したのだ。このコメントを聞いて耳を疑った人は多いはず。施工不良は10棟や20棟ではない。全国で1500棟以上も見つかっているのだ。これだけ大規模な不正を、経営陣がまったく関与することなく、現場の一存だけで行えるはずがない。しかも物件は各地に点在している。異なる業者がみんなで口裏を合わせて、一斉に不正をしたとでも言うのか。これは誰がどう考えても不自然だ。賃貸業界を代表する大手企業のトップの発言としては、あまりにも無責任だと言わざるを得ない。進退については「社外取締役に協議してもらう」と述べるにとどめたが、常識的に考えればすぐに責任を取って辞任するべきだろう。

レオパレス離れで管理物件の入居率が低下する!?

 注目されるのは、レオパレス21の今後だ。施工不良が発覚した物件については、同社が費用を負担して修繕を進めていくとしているが、問題はその後だ。今回の不祥事で同社は大きな代償を支払わせさせられることになる。おそらく会社存続の危機に直面するかもしれない。
 最も大きな打撃を被ることになるのは建築部門だろう。いくら再発防止に取り組んだところで、いったん地に落ちた信用はそう簡単にはもとには戻らない。今のレオパレスでアパートを建てようという人はよほどのお人好しでない限りいないだろう。営業マンにしても、がんばってアパートを売った結果、本人が知らないところで不正行為が行われ、オーナーから恨みを買う羽目になるのではたまったものではない。そもそも、今後はアパートが売れる可能性がとてつもなく低くなるため、営業マンの多くが同社に見切りをつけることになるだろう。建築部門の業績悪化は、現状を見る限り避けられそうにない。
 一方、管理物件の入居状況の悪化も不可避だろう。施工不良物件については今後、修繕を進めていくとしているが、いくら直したところで、問題のあった物件に誰がわざわざ住もうするのか。レオパレス以外にも、世の中には物件が山ほどあることから考えても、入居率が以前の水準まで回復すると期待するのには無理がある。
 また、問題が見つからなかった物件についても、「レオパレス物件」というだけで敬遠される可能性は高い。他に選択肢がないというのであれば話は別だが、そうでない限り、たいていの人はレオパレス以外の物件を選ぶはずだ。もはや管理物件の入居率低下も避けられない状況だ。

入居率維持のため減額要求の可能性も

 入居率の低下はどのような事態を招くのか。レオパレス21は管理物件の家賃を保証しているため、入居者の有無にかかわらず、一定の賃料をオーナーに支払わなければならない。そのため、空室が増えれば増えるほど、持ち出しが多くなる。アパート販売で利益が出ていれば、空室による家賃ロスはそれほど気にならないかもしれないが、とてもそれを期待できるような状況ではない。となると、何が何でも入居率を上げるしかないわけだが、打てる手は限られている。賃料を大幅に家賃を下げれば、収益性は低下するものの、もしかしたら入居率だけはどうにか維持することができるかもしれない。しかしこの場合、割を食うのは他でもない、オーナーだ。工事で不正をされた上、サブリース賃料まで減額されたのではたまったものではないが、かと言ってレオパレス21自体がつぶれてしまっては元も子もない。もしも同社が「倒産」をちらつかせて減額を要求してきたら、オーナーは拒否することができるのだろうか。

業績は散々 事態の悪化に歯止めかからず

 業界関係者からは、「もうもたない」「倒産へのカウントダウンは始まった」と、レオパレス21の先行きを不安視する声が次々と上がっている。実際、2月9日の18年9月中間連結決算で、同社は前年同期94億円の黒字から58億円の赤字に転落した。売上高については約2554億円で、前年同期と比べるとマイナス1.3%の微減で済んだが、これは問題発覚以前に受注したアパートの売上が反映されているためだ。販売売上の激減が予想される今後については、業績の悪化は避けられないだろう。状況が改善しないようだと、どこかのタイミングで誰かが支援に乗り出さなければならない事態に陥るかもしれない。
 とはいえ、このままレオパレス21が倒れるようなことになれば、業界への影響は計り知れない。借入金の返済ができず、路頭に迷うオーナーも続出するだろう。不利益を被る入居者もいるだろう。最悪の事態を避けるためにも、同社は事実を包み隠さず公表し、ここで何とか踏ん張ってもらいたい。