闘将野村「新経営論」最終回|インタビュー|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
人気

2019.09.23

闘将野村「新経営論」最終回

闘将野村「新経営論」最終回
-なにか間違ってないか?俺はバカの野村で有名なんだよ。経営者に向けたアドバイスとか会社のこととか聞きたいみたいだけど、経済論なんてお門違いだよ。間違ってきたんじゃないのかい?-

この取材のために、野村監督に始めてお会いしたときに言われた言葉である。

 野村監督は、常に人を見ている。そして自分の一言によって相手がどのように考えて動くのかを理解している。常に三歩も五歩も先が見えている。監督は面白い。気付いたら私も、当然のように監督の思った通りの行動をとらされてしまう。

 みなさんは野球の監督と会社を経営する社長は違うと思ったか?他社にない特許や利権を持っていれば話は別だが、普通の会社には、ライバル企業があり、同じ地域にはシェアを取りあう競争相手もいる。競合と戦うための会社の資本金とは、野球チームで言えば球団運営費。各部署を任される人材は選手、そしてそれらを監督して指示を出すのは社長だ。両者はまったく同じなのだ。逆に言えば、優秀な経営者ならば、もしかしたら球団の監督もできるかもしれない。ただし、みんなを動かすカリスマがあればの話だが・・・。

(連載を終えて)
 約3年にわたる野村克也氏のインタビュー、いかがでしたでしょうか。2017年には奥様である沙千代夫人を亡くすなど、野村監督を取り巻く環境にもさまざまな変化が生じました。しかし、今シーズンも野球論について熱く語るその姿を見ると、改めて野村監督が野球に傾ける情熱は情人とは比べ物にならないなと感じさせられます。会社経営に携わる方々に限らず、その発言や行動、考え方から学ぶべきものはまだまだありそうです。