損をしない住まいづくりとは?賢い補助金制度の使い方|エネルギー|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2019.12.16

損をしない住まいづくりとは?賢い補助金制度の使い方

損をしない住まいづくりとは?賢い補助金制度の使い方
地震直後、余震が怖くて眠れない・・・耐震補強工事費395万円のうち95万円を市が補助 

「地震が起きるたびに家のあちこちから軋むような音が聞こえる・・・」
「耐震補強工事をしたいけれど、一体いくらくらいかかるのか?」

万が一の事態に備え、耐震補強工事を検討する方が増えています。しかし、その際に多くの方が気にするのは、「工事に一体いくらくらいの費用がかかるのか」ということ。中には、想像以上にお金がかかることから、工事を諦めてしまうという方もいます。今回は、耐震補強工事に使える補助金について、事例を交えてご紹介したいと思います。
 埼玉県さいたま市に在住のA夫婦は一昨年、築42年の2階建木造戸建住宅を耐震補強リフォームしました。
 家の延べ床面積は約100㎡。いわゆる旧耐震の建物で、長い間メンテナンスらしいことをほとんどしていなかったそうです。そのせいか、地震が起きると、震度にかかわらずかなり大きな揺れを感じるようになっていました。
 そんな状況を心配したAさんの息子さんは、「行政が行っている無料の建物診断サービスを受けてみてはどうか」と提案しました。その結果、耐震性能は0.5点と評価されました。
 0.5点がどんな状態なのかご存知ない方のために補足しておきますと、これはかなり危険なレベルになります。耐震診断5段階に分かれていて、もっとも安全だとされるのは1.5以上になります。これは建築基準法の1.5倍の耐震強度で、大きな地震が発生しても倒壊する心配はないとされます。1~1.5は「一応倒壊しない」という判断で、基本的には安全だと考えられます。1は平均的な点数で、建築基準法に定める最低限の耐震強度があるという評価になります。これより下は危険だという判断で、0.7~1未満は「倒壊する可能性がある」、0.7未満は「倒壊する可能性が高い」という判断になります。つまり0.5点と評価されたAさんのお宅は、非常に危険な状態だということです。
 この結果を踏まえ、Aさんと息子さんは、耐震補強工事をすることにしました。早速、地元のリフォーム会社に相談したところ、すぐに見積りが出てきました。しかし、提示された金額は、Aさんらが考えていた350万円を約45万円オーバーしていました。

「これだけオーバーすると、予算の上乗せも難しい。プランを変更するしかないか・・・」

困ったAさんらから相談を受けたリフォーム会社は、「それならば、市の助成金制度を申請してみてはどうか」と提案しました。できるなら工事内容を変更したくないと考えていたAさんらは、早速リフォーム会社のアドバイスを受けながら資料を作成。結果、工事費用395万のうち、オーバー分の95万円を市から補助してもらえることになりました。
 約1ヶ月に及ぶ工事で、家の基礎や土台、壁などの耐震性能は、工事前と比べて大幅に上昇。診断の結果は、1.2となりました。

「地震が起きた直後は、『余震がまたあるかも』と安心して眠ることができませんでした。これからは枕を高くして寝ることができます」

 耐震補強工事は、みなさんの命を守るリフォームです。お金がかかるからと諦めてしまう前に、まずは利用できそうな補助金制度がないか調べてみてはいかがでしょうか。詳しくはお近くの全国優良リフォーム会員まで。