購買心理学から見る日本経済とプロレス(第8回)ゲスト:スタン・ハンセン|対談|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2020.09.21

購買心理学から見る日本経済とプロレス(第8回)ゲスト:スタン・ハンセン

購買心理学から見る日本経済とプロレス(第8回)ゲスト:スタン・ハンセン
人間は考える葦である。そこにメリットがあると分かっていても「安いと思っていったら高いものを売りつけられるのではないか?」あるいは「安いけれども後々アフターフォロもしてくれないのではないだろうか?」というように、騙されたくないという心理が働く。すでにその商売が公に認知されたもので、そこの会社の信用力が対外的にすぐに分かる商売であれば反響は早いが、逆に分かり難いビジネスには安心・信用の蓄積期間が必要になる。
 チラシも、8回目までは反響が増えていくとよく言われるが、これは蓄積期間によってお客様の信用力が上がるからである。

1回目のチラシで認知をしてもらう
2回目のチラシで興味をもってもらう
3回目のチラシで安心感の芽が出る

「オープンから3ヶ月で300名を超えるお客様に喜んでもらいました」
「お客様から『有難う』の声を多数いただきました」
「『いいね!』の数が1万件を突破しました」

等々だ。まだ来店していないお客様からすれば、たくさんのお客様が来店しているのであれば「安心な会社なのかな」と認識するであろうし、興味をもっている人からすれば「300名も行っているのに私は乗り遅れてしまった」と認識するかもしれない。
 5回目を超えるあたりから興味は確信へと変わっていく。

「これだけ続いているのだから安心な会社なのかな」
「大きな仕事を依頼しても大丈夫そうだ」

こうなれば、今まで売れなかった高額商品が販売できるようになる。
このあたりの見極めができずに、コロコロとお店のスタイルややり方を変える人もいる。当然、お客様の趣向も変わるので、やり方を変えること自体は悪いことではないが、どのような結果と理由があって変更したのか、その結果はお客様に十分認知された結果だったのかを検証して欲しい。
 商いをされている方の中には、2、3回チラシを撒いただけで「反響が来ないから」と言って、配布を止めてしまう人がいる。こうした方々を見ていると、「もう少しコツコツと続けたら良いのに、もったいないな」と感じてしまう。
 商い=飽きないでコツコツとできたものだけが成功する
分かっているのだけど…。
25年間貫いたスタン・ハンセンのスタイルは十分すぎるくらい、安心と信用を日本のプロレスファンに与えた。職人である。