DMMオンラインサロン(第3回)~M&Aの成功者とは~|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.01.23

DMMオンラインサロン(第3回)~M&Aの成功者とは~

DMMオンラインサロン(第3回)~M&Aの成功者とは~
なぜ買ってはいけない会社(お店)を買ってしまったのか?


M&Aの購入前の検証・購入後の検証

今日、M&A会社から来た情報で、駅前の繁華街にある小料理屋に関するものがあった。駅前だったらお客様も沢たくさん来るだろうから、妻にも「これから贅沢させてあげるね」と話すと、妻も「これから私も若女将ね」と夢が膨らむ。

①M&Aの仲介のアドバイザーに聞いたら「こんな駅前の場所でM&Aで出ることは稀だから、すぐに決まってしまうだろう」と言っていたよ。

②専門家にデューデリジェンスをしてもらったら、過去の未払い残業代も振り込んでくれると言っているし、仕入れ先の売掛金もなければ、お客様のつけ(買掛金)のとりっぱぐれもなく、飲食店としてはかなり優秀だと言っていた。

③今の店主さんもすごく良い人で、1か月間引継ぎしてくれるそうだ。だから安心してお店運営できると言ってくれた。

④それなら、他の人に取られる前にすぐに買いましょうよ。退職金の700万円だけでは足りないから、後の800万円は友人から貸してもらう話もついた。上手く行けば800万円も1年で返せるから安心だね。

⑤私たち素人だから、後になって知らなかったことが出てきたらどうしよう・・・。でも仲介会社の人が紹介してくれた弁護士が、売主の嘘や知らないことが出てきても問題がないように、契約書に売主責任をきっちり書いてくれると言っていたから大丈夫だな。

購入時の検証

失敗①仲介アドバイザー

一体、どこで間違えてしまったのだろうか?

 確かに良い案件は、今までの経験上1ヵ月と募集していない。普通はあっという間に買い手が集まるので、1~2週間程度で打ち切られてしまうことがほとんどだ。逆に3か月以上も買い手が決まらない案件は、実際調べていくと、はじめの案内(ノンネームシート)と実態が大きく異なるケースが多い。
 ここ最近の売上が急速に悪くなっている。社員の大量退社があった。大口の取引先が他社に乗り換えた。訴訟を抱えている。売主の社長に癖があり売却が前に進まない・・・とすんなりいかないことが少なくない。
 もしその案件が数か月も買い手が決まっていないのであれば、他の検討者も何かしらの不安要素に気が付いて断ったはずである。それなのに、仲介会社の「すぐに決まってしまいますよ」という言葉にまんまと乗せられて、慎重にならなくてはいけない最初の段階で見落としが発生してしまったのである。
 仲介会社が言わなくても、売主面談で促されるケースもある。

「貴方で面談は4社目です。まだあと3社予定がある。みなさん前向きに行きたいと連絡をもらっている」

「最初に連絡を頂いた方から進めたい。遅くても年内に決済できる方でお願いしたい」

等々言われたら、自然と購入前提の頭になってしまうものだ。結果、見落としが発生することになる。

 なぜ見落としが発生するのか?それは自分の欲が、自分自身の判断を狂わせてしまうからに他ならない。利害関係のない第三者をアドバイザーに持っていないと、このような事態が発生してしまうのだ。


(プロフィール)
藤田精(ふじた・たくみ)
M&A・不動産・経営コンサルタント。現在、DMMのオンラインサロンで『M&A買収王と組む 営業利益1億円を目指す 投資・経営サロン』を運営中。著者「闘将野村 弱小企業を一流へと導く新経営論」(幻冬舎)。2022年、NHKで M&A の買収王としてテレビで紹介される。2021 年は、1 年間で 11 社約 50 億円の購入実績があり、毎年投資予算100 億円を目標に買収と事業承継・経営支援を行っている。
(サロン概要)
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