冬場は浴室での死亡事故が急増!ヒートショックはこうして防げ|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2018.10.15

冬場は浴室での死亡事故が急増!ヒートショックはこうして防げ

冬場は浴室での死亡事故が急増!ヒートショックはこうして防げ
記録的な猛暑が続いた今年の夏。高齢者が室内で熱射病になって倒れたというニュースが、連日メディアを賑わせた。しかし、室内で高齢者が急死する数は、実は夏よりも冬の方が多いことをご存知だろうか。中でも特に多いのが入浴時のヒートショックによる事故だ。その数は、年間で1万7000人にものぼり、さらに年々増えている。しかも驚くべきことに、交通事故による死亡件数約4100件を大きく上回っているのだ。手軽にできるヒートショック対策についてまとめた。
-風呂場の方で『バタンッ』という音がしたので覗いてみたら、父が裸で倒れていました・・・-

 今年75歳の父と同居するAさん。雪の降る12月の終わりに、父が突然、浴室で倒れた。駆け付けた救急隊によると、どうやらヒートショックで心筋梗塞となり、それが原因で急死したらしい。ヒートショックは、部屋ごとの温度差が大きい家ほど起こる可能性の高い事故だと言われている。Aさんの父の場合、寒い脱衣場で服を脱いで体の表面温度が下がった状態で、急に温かいお湯に浸かったことが引き金になったと考えられた。
 誰にでも起こり得るこの事故を防ぐためにはどうすれば良いのか。大切なのは、建物内の温度差をなくすことだ。
 ヒートショックが起こる可能性が最も高い場所は浴室だ。エアコンなどで常時暖かい状態の自室やリビングと比べると、暖房機器のない脱衣場の温度はどうしても低くなってしまう。どうすればこの温度差をなくせるか。もっとも手軽な方法は、セラミックファンヒーターの設置だ。工事不要で、電源さえあればすぐに使用することができる。また、高齢者でも手軽に持ち運びできるので、使わない夏場の片付けもラクだ。
 ガスファンヒーターもおススメだが、こちらはガスの配管工事が必要になる。また、狭い脱衣場で使う場合は、普段よりも換気に気を遣わなければならない。石油ファンヒーターも同様だ。これ以外にも、床暖房を敷いたり、エアコンを設置する方法もあるが、コストを重視するのであれば、セラミックファンヒーターを置くのがもっとも安価だろう。
 浴室内については、浴室換気乾燥暖房機を設置する方法がと良いだろう。ただし、業者による工事が伴うため、ヒーターやエアコンと比べると高額だ。また、在来工法の浴室だと設置できないこともある。
 ヒートショックが起こるのは風呂場だけではない。実はトイレでの事故も意外と多い。スペースが狭いだけに、できる対策も限られている。最もおススメなのは、脱衣場と同様、セラミックファンヒーターによる対策だ。場所を取らないため、スペースの限られたトイレにおいても邪魔にならない。また、最近の機種は人感センサーが付いているため、一回一回電源を入れなくても、人がいなくなれば自動的に電源がオフになる。消し忘れがないため、安全だ。
 今回ご紹介した方法は、暖房機器を使ってできる簡単なヒートショック対策だ。もっと本格的な対策をするのであれば、壁の断熱性能を上げたり、窓を二重サッシに代えたりなど、色々な方法が考えられる。冬の到来に備え、ヒートショック対策を検討したい方は、お近くの全国優良リフォーム会員にご相談下さい。