損をしない住まいづくりとは?~補助金制度の賢い使い方~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2018.10.22

損をしない住まいづくりとは?~補助金制度の賢い使い方~

損をしない住まいづくりとは?~補助金制度の賢い使い方~
余った予算で省エネ改修工事も 

 これまで、リフォームに利用できる補助金や助成金制度をいくつかご紹介してきました。今回は実際にそうした制度を活用して改修を行った実例をご紹介したいと思います。ご自宅の改修を行う際の参考にして下さい。
 最初にご紹介するのは、兵庫県西宮市のリフォーム会社S社が手掛けたAさん宅の耐震工事の事例です。建物は木造2階建てで、延べ床面積は約150㎡。建てられたのは昭和42年。築からすでに約50年が経過していました。先の阪神・淡路大震災の時は建物自体に被害はありませんでしたが、築年数を考えると次も無事でいられるとは限りません。専門家に耐震診断を頼んだところ、コンクリートでできた建物の基礎などにもヒビが見つかり、非常に危険な状態だという結果が出たため、S社にリフォームの依頼が来ました。
 Aさんが今回のリフォームのために用意した予算は700万円。ところが建物が古いこともあり、実際には800万円ほどの費用が必要で、予算が不足していました。そこでS社は補助金を利用することを提案しました。
 西宮市には、住宅耐震改修促進事業として住宅の耐震化にかかった費用の一部を補助する制度があります。対象は西宮市内にある昭和56年6月以前に着工された建物で、Aさのお宅はこの条件に合致していました。もらえる補助金額はかかった費用によって変わり、Aさんのように300万円以上の工事だと最大130万円を受け取ることができます。これでどうにか実質830万円の予算を用意することができました。
 そうなると今度は、自己資金のうち30万円が余ることになります。そこでS社は、窓回りの省エネ改修工事を一緒に行うことを提案しました。もちろんこれにも補助金を利用します。こちらはかかった費用の3分の1を受け取ることができます。残る予算は30万円ですので10万円の補助金を加え、総額40万円の工事をすることにしました。

(耐震改修工事)
工事費800万円 自己資金670万円+補助金130万円
省エネ改修工事 自己資金30万円+補助金10万円
→全改修費用総額840万円


 当初700万円の予算しかありませんでしたが、結果的に840万円分の改修工事をすることができました。しかも耐震性だけでなく、窓回りの断熱性も向上しました。工事前に0.53だった耐震性は、補強によって1.23にまで上昇。これで少々の地震なら十分に耐えられるだけの耐震性になりました。

 続いてご紹介するのは、大阪のX社が手掛けたBさん宅の断熱改修リフォームの事例です。築年数は約40年で木造2階建て。断熱性能が低いためエアコンの利きが悪く、夏と冬は極端に電気代が高くなって困っていたそうです。
 ところがX社の点検の結果、断熱性だけでなく、耐震性にも不安があることが分かりました。しかし、断熱リフォームと耐震改修工事をいっぺんになるのは予算的に厳しそうだったため、X社はBさんに「耐震補強補助事業」と「住宅エコポイント」、2つの補助金を利用することを提案しました。その結果、全部で約800万円かかった改修費用のうち、100万円を耐震補強補助として、25万円を断熱改修工事に対する補助としてもらうことができました。Bさんが用意していた予算は650万円だったため、若干予算を上乗せする必要はありましたが、おかげでエアコンの利きがよくなり、電気代もだいぶ節約できるようになったそうです。
 耐震工事や省エネリフォーム、お金がかかるからと諦めてしまう前に、一度補助金に詳しいお近くの全国優良リフォーム会員に相談してみてはいかがでしょうか。