自然災害鑑定士に聞いてみました「これさえあれば災害時の水不足なんて怖くない! 」|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2018.10.29

自然災害鑑定士に聞いてみました「これさえあれば災害時の水不足なんて怖くない! 」

自然災害鑑定士に聞いてみました「これさえあれば災害時の水不足なんて怖くない! 」
水道水をそのまま地中で貯水

 9月7日、北海道を震度7の地震が襲った。ライフラインの復旧が進まない中、特に深刻化しているのが水不足だ。現地には、本土から大量の水が届けられてはいるものの、生活に必要な水のすべてを、ボトルウォーターや給水だけでまかなうことは到底できない。有事の際の水の備えはどうすれば良いのか。家庭でできる対策について緊急取材した。
 「うちを含め、周辺の家の水道はすべて一時的に止まってしまいましたが、非常用の貯水装置を購入しておいたおかげで、急場をしのぐことができました。赤ちゃんにミルクをあげるのにも水がないとどうしようもありません。本当に助かりましたよ」と話すのは、札幌市郊外に住むAさん。昨年の2月に家を購入し、現在、奥さんと生後10ヶ月になるお子さんと3人で暮らしている。
 実はAさんは関西出身で、小学生の時に阪神大震災が発生した。幸いにも大きな被害は免れたが、自宅のあった地域一帯は数日間にわたり断水。当時はまだ、今ほどペットボトルの水が普及していなかった時代。給水の水をもらうだけでも数時間並ばなければならず、思うように水が手に入らない辛さを、身をもって経験した。

「あんな苦しみを家族に味わわせたくない・・・」

 Aさんは全国で頻発する地震のニュースを見て危機感を募らせ、購入した家の庭に、非常用の貯水装置を設置することを決心した。ボトルウォーターを備蓄しておくという方法もあるが、それだけだと建物が被害を受けたときに外に持ち出すことができない恐れがある。そこで外部に水をストックしておける方法はないかと探した結果、行き着いたのが「水蔵(みずのくら)」という貯水装置だった。
 「水蔵」は、水道本管と蛇口の間に設置して地中に埋め込む貯水用のタンクだ。一般家庭だけでなく、公共施設などで導入されるケースが増えている。蛇口をひねるとタンク内の水が排出され、代わりに新しい水が中に引き込まれる仕組みになっている。そのためタンク内の水は常に新鮮な状態に保たれ、飲料水や生活用水として利用することができる。非常時はタンクから直接水を取り出すことも可能だ。「これさえあれば、緊急時でも水に困ることはない」と考えたAさんは、早速、業者に問い合わせた。
 「水蔵」の購入から1年半。マグニチュード6.7の大地震により、Aさんの住む地域でも水道管破裂に伴う断水状態が発生。しかし、「水蔵」があったおかげで、Aさん宅では被災初日から水に不便することはなかった。
「うちの場合、1日当たり10リットルの水があれば十分です。タンクの容量は180リットルなので、これだけで半月以上もちます」
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