闘将野村「新経営論」第24回|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2019.05.27

闘将野村「新経営論」第24回

闘将野村「新経営論」第24回
新入社員とメジャーリーグ

 中小企業の社長が、自分の求めている社員を雇用しようとしてもなかなかできない。想像以上にハードルは高い。それは、学生にはよく分からない、あまたある会社の一つに過ぎないからだ。言ってみれば、有名企業から面接を始め、落ちたから仕方なく地元企業でも行こうかという感覚である。しかし、それでも応募があるだけまだましだ。少子化の現在、優秀かどうか以前の問題で、応募すらないということもある。中小企業の社長は、数ある石ころの中からダイヤの原石を探す能力が必要になってくる。

-以前に高校野球の監督なりたかったと言うお話しされていましたよね。

野村 プロを目指した目的がそこだから。プロ野球に入って野球を勉強して、2、3年で田舎に帰って我が母校の監督やろうと思って。それが3年後に一軍に上がって方向が変わっちゃった。

-今でも高校野球を注目して観るのですか。

野村 大好きだよ。高校野球観ながらスカウトやってる。

-「こいつとこいつ欲しいな」と見ているわけですね。その年のスカウトでおおよそ当たりますか。監督はいつもピッチャーからとお話しされていますけれど。

野村 野手は獲るの難しいよな。

-マー君(現MLB ニューヨーク・ヤンキース 田中将大選手)を獲得したときは、「これはいける」という感じだったのでしょうか。

野村 マー君と斎藤佑樹が甲子園で投げ合って、もうプロで獲るんなら田中で、斎藤は社会人野球でプロ向けではない。

-社会人野球なら今以上に活躍できていると思いますか。

野村 そこそこできたんじゃない?

-何が違ったのだ思いますか。

野村 特徴がないじゃない。スピード、コントロール、バッターが嫌がる球種を一つ以上持っているかとか何にもないじゃない。

-田中選手の場合は、どこがピカイチなのでしょうか。

野村 コントロールないけど球は速い。

-磨いたらもっといけるということでしょうか。

野村 きちっと指導をすれば田中の方が伸びるなと思ったし、プロ向きのピッチャーだ。斎藤大学行くと思わなかったけど、進学したから自然に田中となったんだけど。

-その後、田中選手は大リーグに行きましたけど、あそこまでなるとは思っていたのでしょうか。

野村 俺がいるときに一言も言わなかったから、大リーグ行くとは知らなかったね。今はメジャーもレベルが下がったね。日本の選手がバンバン活躍してるじゃん。我々の時代からは考えられないよ。
いつも一年おきに日米野球あったじゃん。「王や長嶋がメジャー行ったらどれくらい打つかな」とか「2割8分打てばいい方じゃないか」とか言ってけど、それくらいメジャーは遠い世界だったんだよ。


(後半へ続く)