購買心理学から見る日本経済とプロレス(第7回)ゲスト:スタン・ハンセン|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2020.08.10

購買心理学から見る日本経済とプロレス(第7回)ゲスト:スタン・ハンセン

購買心理学から見る日本経済とプロレス(第7回)ゲスト:スタン・ハンセン
集客と効果の見極めの法則①

-ハンセンさんは、プロレスをするときに、「ここを見て欲しい」あるいは「こう見せたい」といったアピールは考えていたのですか。例えば、リング上のパフォーマンスであれば、観客に完全に嫌われようとして、本当悪役に徹していたのでしょうか?私も含めたファンからすれば、激しいラフファイトを見て「あー、酷いことするな」と思いながら、初めの頃は思っていました。実際のところ、ファンからどのように見られたいと思ってリングに上がっていたのでしょうか?

プロレスのレスラーも、差別化されていないとお客様に飽きられてしまうし人気は出ないのだ。

ハンセン 私は、日本のファンに好かれたいと思ってプレーしたことはないです。私のスタイル、心構え、すべてにおいて、リング上で良いヤツになろうと考えたことは1回もないです。私が毎日、日本人を相手にレスリングをしたら、どちらに付くかを決めるのは観客にとっては簡単なことですよね。日本人レスラーが善玉で、私が悪者でというのがあったのですが、だんだん他の外国人とレスリングするようになっていく従って、私の個性とキャラクターのおかげで観客は私に興味を持って、(私がヒールであるという状況に反して)私のことを好きになっていってくれました。

 スタン・ハンセン氏は、どちらかというと頑固一徹の職人である。話してみると分かるのだが、考え方が昭和の日本人なのである。本人は自分の常にベストを上回るために努力した結果だと言うが、それが結果的にファンの増加につながったということだ。そこには、彼をヒールからヒーローに育て上げたジャイアント馬場氏の存在も大きく関係しているのだろう。
そういう意味では、ジャイアント馬場氏にとっても、現場を任せられる優秀な職人であり、しかも与えた任務を正確に遂行したのがスタン・ハンセンであったのだろう。商売において「腕が良い」のと「商売が上手」というのは、両立しないことが多い。
 だから役割を分担する。営業の得意な人を採用したり、フランチャイズに加盟するのもそうだ。コンサルや顧問、アドバイザーなどを付けて繁盛店にすることもできる。
先のマーケティングの話のところで、一つ言い忘れていたことがある。マーケティングでベストマッチングをしたとしても、すぐに実績が上がるわけではないということを考えて覚えておいた方が良い。それはなぜか?購買行動には時間がかかるからである。