マンションの駐車場の借り手が付かず、毎月30万円をロス|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.09.20

マンションの駐車場の借り手が付かず、毎月30万円をロス

マンションの駐車場の借り手が付かず、毎月30万円をロス
外部に貸し出して賃料収入が大幅に改善!

 賃貸経営においては、さまざまな創意工夫で収益を大幅に改善することができる場合があります。今回は、マンションに付帯する駐車場の収益改善に成功した事例をご紹介します。

「昔は満車だったから駐車場だけでもそれなりの賃料収入があったのだけれど、最近は半分しか利用されていない。どうにかして以前のように売上を上げる方法はないだろうか・・・」

 2017年の夏頃、大橋耕助オーナーは駐車場の状況を改善のために、管理会社を訪ねました。
大橋オーナーの所有する賃貸マンションは神奈川県横浜市にあります。総戸数は32戸、間取りは1LDKと2DKで、住戸は全室満室になっていました。一方で18台分ある入居者専用の駐車場は、8台分しか埋まっていませんでした。賃料は1台当たり3万円、つまり毎月30万円ものロスが発生していたことになります。
駐車場の利用者が減り出したのは2010年頃から。それまではずっと空きはなかったそうです。

「うちの入居者は20代後半から30代の単身男性がほとんど。最近は若いうちに車を買うという方が減ったようで、それがうちの駐車場の利用率にも影響しているようでした」

 何度か入居者に案内をしてみたものの、利用者は一向に増えませんでした。そこで、何か良い方法はないかと、管理会社に相談しにいったというわけです。
 相談を受けた管理会社は大橋さんに対し、一つの提案をしました。

「思い切って外部の方に貸し出してみてはいかがですか。マンションの入り口はオートロックになっているので、入居者には迷惑は掛からないと思いますよ」

 いきなり空いている分をすべて外部に貸し出すのはためらわれたため、大橋さんはとりあえず駐車場入口付近の5台分だけ、月極駐車場として貸し出してみることにしました。管理会社はすぐに募集用の看板を用意し、駐車場の入り口に設置。すると、ひと月もしないうちに、5台すべての借り手が決まりました。

「地域的にファミリーが多いので、駐車場を探している方は必ずいると思いました。実は周辺の月極駐車場の賃料相場が4万円だったので、貸し出す際は5000円上げて3万5000円にしました」

 借り手がすぐに見つかっただけなく、賃料アップもできたことから、大橋さんは残りの駐車場もあと4台分を外部に貸し出すことにしました。1台分だけ残したのは、後になって入居者が借りたいと言ってきたときに備えるためだったそうです。それでも、賃料を1台につき5000円アップしているため、売上は入居者に全部貸し出していたときよりも増えたことになります。

●3万円で満車だった場合のひと月の売上
 3万円×18台分=54万円

●3万5000円で9台分を外部に月極駐車場として貸し出した場合
 3万円×8台分(入居者)+3万5000円×9台分(外部)=55万5000円

 しばらくして、入居者の入れ替わりがあった際に駐車場の利用も仕込みも入ったため、売上がさらに3万円増えたそうです。
 月極駐車場として貸し出しを始めてから今年で4年。大橋オーナーに現状を聞いてみると、

「何件か入れ替わりはあったものの、今も満車です。あのまま空いた状態が続いていたら、トータル1500万円近くのロスが出ていたわけですから、すぐに手を打って良かったです」

 マンションに付帯する駐車場は基本的に、入居者向けのサービスという位置付けになっているため、あまり外部には貸し出しません。とはいえ、利用者がいないとただの金食い虫です。全体の収益性を改善するためにも、入居者以外への貸し出しを検討してみてはいかがでしょうか?賃貸経営に関するご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。