ヤマダHD 前年度の好調から一転、第1四半期決算で減収減益に転落|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.10.04

ヤマダHD 前年度の好調から一転、第1四半期決算で減収減益に転落

ヤマダHD 前年度の好調から一転、第1四半期決算で減収減益に転落
デンキ事業の不振続く

 2021年3月期決算で復調を印象付けたヤマダホールディングス(群馬県高崎市)が、8月5日に発表した2022年3月期第1四半期(4~6月)決算で、再び苦境に立たされていることが明らかになった。結果は、売上高が前年同期比5.8%減の3829億8700万円、営業利益が5.3%減の214億2600万円、経常利益が2.1%減で237億2800万円と、周囲の期待を大きく裏切る減収減益だった。
 もっとも業績が悪かったのは主力の「デンキ事業」だ。売上高は前年同期から14.9%も減少して3172億円に、営業利益も9.0%減り218億7600万円に留まった。なぜ、好調だった前年度の勢いを維持することができず、一転、苦戦を強いられる結果となってしまったのか。その要因について同社は、

「特別給付金支給や巣ごもり需要などによる一過性の需要に対する反動減」

と説明する。それはおそらくその通りだろう。だが、巣ごもり需要が一時的なものであることは、最初から分かっていたはずだ。それにもかかわらず、なぜ経営陣は抜本的な業績回復の手立てを打てないまま、業績を再び悪化させてしまったのか。前年度の業績を押し上げた巣ごもり需要は、経営陣の努力の賜物ではない。言ってみれば“棚から牡丹餅”のおかげで、一時的に業績が良くなったように見えただけに過ぎない。極端な話、同社の経営陣はこの1年半ほど、何の成果も挙げられていないことになる。
 他の部門はどうか。「住建事業」の売上高は前年度116.2%増の552億6500万円と、数字上はかなり良かったように見える。しかしこれは、レオハウスとヒノキヤグループの連結子会社化によるものが多分に含まれているためで、住建事業の主軸を担ってきたヤマダホームズが健闘した結果だとは言えない。もちろんM&A自体は決して悪いことではない。だが、冷静に見れば、M&Aで何とか帳尻を合わせたという見方もできる。住建事業についても上向いたと判断するのは早計だ。
 本紙でしばしば取り上げてきた大塚家具はどうだったのか。大塚家具を含む「その他事業」の売上高は172億8200万円と、前年度から24.2%も増えた。△12億4200万円だったセグメント利益も、△500万円まで改善した。数字上、大塚家具は復調傾向にあるように見える。資料では、業績が伸びた理由について

「大塚家具の来店客の回復や家電販売による家具と家電のシナジー効果」

と分析している。だが、これはそのまま鵜呑みにはできない。というのも、先述したように、デンキ事業は不振だったからだ。仮に両事業間でシナジー効果があったとするならば、デンキ事業の業績はもっとマシでなければおかしい。「その他事業」が好調だった理由を、「デンキ事業とのシナジー効果があった」とするには、デンキ事業の業績は悪すぎる印象はぬぐえない。
 前年度および今回の第1四半期における住建部門の好業績は、結局のところ巣ごもり需要の恩恵とM&Aによるものでしかない。ヤマダホールディングスにはまだ解決すべき問題が山積しているようだ。