意外と知らない外壁塗装の常識|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2022.04.18

意外と知らない外壁塗装の常識

意外と知らない外壁塗装の常識
傷んだ壁をそのまま放置すると取り返しのつかないことになりますよ!

 春は比較的天候が安定していて、暖かいことから、1年の中で最も外壁塗装に適した季節だと言われています。実際、この時期に外壁の塗り替えを検討する人は非常に多いようです。しかし、一方でデメリットがないわけではありません。今回は春の外壁塗装について取材しました。

「ようやく暖かくなったし、これなら塗料も乾きやすいだろう。外壁を塗り替えるのには絶好のタイミングだろう」

 千葉県船橋市にお住いの丸山健一郎さんは昨年の春、築25年になるご自宅の外壁塗装を行いました。そもそも塗り替えを検討し始めたのは一昨年の10月頃のこと。庭で日曜大工をしていた際に躓いて壁に手を突いたところ、掌が真っ白になったのを見たことがきっかけでした。

「自宅の外壁はサイディングで、建てて以来、まったく手入れをしていませんでした。その結果、経年劣化でチョーキング現象が起きてしまったようでした」

最初はそのままでも良いと思った丸山さんでしたが、色々調べた結果、今の状態を放置しておくと外壁が直接雨水を吸収したり、紫外線を浴びるなどして、劣化がどんどん進んでいくということが分かり、考えを改めたそうです。
インターネットで調べた結果、丸山さんは近所で評判のある外壁塗装の専門業者A社に工事の依頼をすることにしました。

「すぐに担当者が来てくれました。しかし、丁度工事が立て込んでいるらしく、どんなに早くても着工できるのは12月に入ってからと言われました」

12月と聞いた丸山さんは、真っ先に

「気温が低いだけでなく、雪などが降る可能性がある真冬に外壁塗装を行っても大丈夫なのだろうか」

と不安が頭をよぎったそうです。そんな丸山さんの様子を見た担当者は、

「冬でも条件さえ整えば問題なく工事できるのですが、正直なところ、ベストなタイミングだとは言えません。それなら春になるのを待ってから工事した方が、我々も作業しやすいですし、丸山さんやご家族にもあまりご負担をかけずに済むと思います」

と提案しました。数カ月工事を先伸ばしたからといって、急に外壁の劣化が進むことはないと聞いた丸山さんは担当者の助言に従い、春になるのを待って塗り替えを行うことにしました。
 ここで改めて、なぜ春が外壁塗装に適しているのかまとめておきます。まず、天候が安定していることが挙げられます。一般的に塗装工事は、雨や雪が降っているときはもちろん、湿度が85%を超えたり、気温が5℃を下回るような天候のときは作業できません。この点、春は暖かいうえ湿度も安定していて、急に天候が変わるということもほとんどありません。きちんと計画通りに作業を進めることができるため、業者も安心です。
 また、塗装作業中は窓を開けての換気ができませんが、春は窓を閉め切っていても室内が蒸し暑くなることがあまりありません。生活面への負担も少なくて済みます。
 もちろん、デメリットもないわけではありません。一番懸念されるのが、工事が立て込んでいて、なかなか順番が回ってこないことです。春は外壁塗装業者にとって最も忙しい時期ですので、以来をしてもすぐに対応してくれるとは限りません。結果、工事のタイミングが5月、6月にずれ込んでしまうこともあります。5月中にできればまだ良いですが、6月以降だと梅雨とぶつかる可能性があります。当然、雨が多い梅雨は外壁塗装に適した時期とは言えません。希望通りのスケジュールで作業を頼むためには、なるべく早いタイミングで工事の発注をする必要があります。この点、丸山さんの場合は10月の時点で依頼をかけているので問題ありませんでした。
 
 丸山さん宅は3月下旬になってから、予定通り外壁に塗り替えが行われ、見違えるようなきれいな外観に生まれ変わりました。工事期間中は雨が降ることもなく、天候はずっと安定していたそうです。

「こちらの不安を見抜き、適切なタイミングでの塗り替えを提案してくれたことに、正直驚きました。春まで待ったおかげか、出来栄えも想像以上に良いと思います」

 外壁の塗り替え工事は、基本的に1年中できますが、時期によってメリットもあればデメリットもあります。塗り替えを検討する際は、その辺りのことをきちんと理解し、説明してくれる業者を選ぶようにしましょう。外壁塗装に関するご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。