ビルの空室対策~テレワークの普及で需要高まるコワーキングスペース~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2022.06.27

ビルの空室対策~テレワークの普及で需要高まるコワーキングスペース~

ビルの空室対策~テレワークの普及で需要高まるコワーキングスペース~
少額投資でできる注目の空室対策

「コロナ禍でオフィスの解約が相次いで困っている。でも今の状況では、募集を出してもすぐに新しいテナントは見つかりそうにない。何か良い手立てはないものだろうか・・・」

 現在、ビルオーナーの多くがコロナ禍による企業の撤退で空室問題に頭を悩ませていることだろうと思います。当然、これをそのままにしておくわけにはいきません。新しいテナントが見つからないのであれば、何か別の方法で収益を上げなければなりません。

-コロナ禍で増えた空室は、コロナ禍で生まれた需要で解消する-

今回は、コロナ禍で一気に注目を浴びることになったコワーキングスペースによる空室対策を取材しました。
 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、テレワークを導入する企業が一気に増えてことは、みなさんもご存知だと思います。この流れはコロナ禍が収まった後も続きそうで、すでに多くの企業がその継続を発表しています。
さて、ここで問題となるのが、在宅勤務を命じられた方々が、実際に家で仕事ができるのかという点です。ご自宅にもともと書斎を持っている、あるいはコロナ禍以前から家に仕事を持ち帰ってやることが多かったという方であれば問題なかもしれませんが、世の中はそんな方ばかりではありません。むしろ、

「家には一切仕事を持ち込まない」
「そんなに広く家ではないので、自分の部屋なんてない」

と方が多いのではないでしょうか?では、こうした方々は一体どうやって在宅勤務をこなしているのでしょうか?実は、少し前に以下のようなニュースが流れて大きな話題になりました。

「在宅勤務者が増えたことで、駅前のコワーキングスペースがどこも満席になった」

もうお分かりですよね?自宅に仕事のためのスペースがない、あるいは自宅だと仕事に集中できないという方がこぞってコワーキングスペースに押し寄せているというのです。実際、弊社記者が平日の日中に都内でコワーキングスペースを利用しようとしたところ、どこもいっぱいで入ることができなかったそうです。都内のある運営業者は、

「当社では都内で5カ所のコワーキングスペースを運営していますが、平日に関しては常に満室状態が続いていています。一部店舗については、新規の入会をストップしているほどです」

と話します。
 コロナ禍収束後もテレワークを継続する企業が多くあることを考えれば、ビルの空室を活用してコワーキングスペースの運営を始めるのは面白いかもしれません。今であれば、十分なビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?開業にどのくらいの費用が必要なのか、ある業者に聞いてみました。

「内装工事費100万円、什器費100万円、ネット環境費15万円、その他設備(防犯カメラ等)10万円、看板台20万円、合計245万円~で開業できます。これはあくまでもオーナーが-所有物件を使うことが前提ですので、他社の物件を借りる場合は別途物件取得費がかかります」

 初期投資の額を見る限り、かなり手軽な空室対策だと言えます。一方でランニングコストとして見ておかなければならないのは、人件費30万円、その他経費(通信費・水道代・電気代・ドリンク代・消耗品)10万円だけです。仮に月額費用を5000円と設定した場合、会員80名を超えた段階で収支は黒字化します。実際には月額会員の他に、ドロップインと呼ばれる飛び込み客の利用等も見込めることから、もっと少ない会員数でも黒字化は可能です。先述の業者によると、初期費用を開業からわずか5カ月で回収したケースもあるとそうです。立地次第では、テナントとして貸し出すよりも儲かるかもしれません。
 もし、お持ちの物件で空室が増えて困っているという方がいたら、一度コワーキングスペースを検討してみてはいかがでしょうか?ご相談はお近くの全国優良リフォーム会員まで。