DMMオンラインサロン~M&Aの成功者とは~(第4回)|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.02.13

DMMオンラインサロン~M&Aの成功者とは~(第4回)

DMMオンラインサロン~M&Aの成功者とは~(第4回)
「購入決定後の失敗事例検証」

M&Aをする際にデューデリジェンスは本当に必要なのか?

①「デューデリジェンス」
 専門家にデューデリジェンスをしてもらったところ問題がなかった。しかし、「専門家が見て問題ないと判断したのだから安心だ」と思うは大間違いである。なぜなら先方が提出してきた資料の内容が正しいかどうかを判断しただけに過ぎないからだ。
実際、私が購入した会社のほとんどはデューデリジェンスを行っていない。本もネットも仲介会社も、みんな弁護士や会計士などを入れて確認してもらった方が良いと言うが、大嘘だ。私は弁護士に頼んだこともないし、購入前に会計士に見てもらったこともない。そもそも相手方が信用できる会社で信用できる社長であれば、そのような調査も必要ないのだ。

②経営統合

 引継ぎが1カ月は短い。また買主はその引継ぎ期間でこう思うだろう。

「最後の1ヵ月は旧店主の引退ということで、昔のお客様や近所のお客様含めてお店にたくさんの来店がある」

新店主は、これならやっていけると考えるはずである。ただそこで、普段来ないお客様も先食いしてしまっているので、その後しばらく暇になることを新店主はまだ知らない。
 アルバイトも旧店主には、お世話になったという思いもあり、最後まではがんばろうと思う。しかし新店主との人間関係はこれからである。今までは、店主がいてその下に従業員のアルバイトという関係である。新店主になったらどうだろうか?アルバイトの方がお店のことやお客様のことを知っている。アルバイトの下に新店主と言う関係になる。ということは関係がこじれるという場合もある。
 1カ月の間に、店主の引継ぎ、アルバイトの面談、税理士の引継ぎ、賃貸家賃契約書のまき直し、仕入れ口座の保証人の変更、銀行挨拶等々・・・とやるべきことがたくさんあるため、当然見落としも多々出てくる。
 実は1ヵ月では引継ぎがメインになってしまうため、本来確認すべき問題点を把握するための時間がない。後からだと旧店主と連絡がとれないこともある。

「連絡はいつでもつきますので、お気軽に連絡を下さいね」

と言われても、売ってしまった会社のことをいつまで真剣にしてくれるだろうか?実際、帳簿を確認すると、当初聞いていた話との違いや仕入れ価格の値上げの話、お店の業務用冷蔵庫や業務用空調の調子が悪いこと、昔からいたアルバイトが来月2名辞めてしまうことなど…デューデリジェンスの調査内容には入っていないことが次々と出てくることがある。気付いたときには、旧店主の電話番号は変わってしまって連絡もつかない。さてどうしたものか・・・。


(プロフィール)
藤田精(ふじた・たくみ)
M&A・不動産・経営コンサルタント。現在、DMMのオンラインサロンで『M&A買収王と組む 営業利益1億円を目指す 投資・経営サロン』を運営中。著者「闘将野村 弱小企業を一流へと導く新経営論」(幻冬舎)。2022年、NHKで M&A の買収王としてテレビで紹介される。2021 年は、1 年間で 11 社約 50 億円の購入実績があり、毎年投資予算100 億円を目標に買収と事業承継・経営支援を行っている。
(サロン概要)
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