住宅の購入・リフォームするなら今がお得?!|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2016.09.29

住宅の購入・リフォームするなら今がお得?!

~平成27および28年度税制改正「住宅減税」活用法❶(前編)~


 去る4月25日、4年後に開催される東京オリンピックの公式エンブレム(組市松紋)が発表、5月にはサミットも開催等日本は特需好景気ムードに後押しされ、各業界では人手不足、賃金上昇、資材価格高騰などの要因から住宅物件価格もこの2、3年で急騰しています。特に東京の一部の地域は、オリンピック終了まで上がり続けると耳にします。
 そんな価格高騰の折でもライフスタイルという必然性や、好物件との運命の出逢いという偶然性により住宅を購入することになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 そんな方々に朗報は、昨年度に引き続き拡充が図られた「住宅減税」です。
 これらの改正で押さえておくべきポイントは5つ。
 ①平成29年4月1日から消費税が10%に増税予定
 ②住宅取得資金等にかかる贈与税の非課税措置の延長・拡充
 ③住宅ローン減税(リフォーム含む)の延長・拡充
 ④3世代同居向けにリフォーム減税を創設
 ⑤相続した古い空き家を売るときの税金を軽減

 今月号では、5つのポイントのうち、昨年度(平成27年度)改正および昨年度改正事項で今年度(平成28年度)改正においてさらに拡充が図られた①~③について触れたいと思います。
 まず、一つ目の「消費税率アップ」に関して。
 先の熊本地震および世界的不況からすると来年の消費税の引き上げは行われないかもしれませんが、平成29年4月1日から予定どおり10%になったとしても、注文住宅の場合は、平成28年9月30日までの請負契約であれば消費税率は8%のままになります。もちろん、平成29年3月31日までに引き渡しが終わるのであれば、いつ契約しても消費税率は8%のままです。
 現在、完成が平成29年4月以降となる見込みの注文住宅の発注をご検討の方は、お急ぎになられた方が得策かもしれませんね。
 次に、二つ目の「住宅取得資金等の贈与税の非課税措置」に関して、適用期限を平成31年6月30日まで延長した上で、非課税枠が最大3000万円まで拡充されました(適用要件の詳細は確認が必要です)。
 このように、贈与税は使途を住宅資金とした場合の非課税枠が大幅に拡大することとなった一方、相続税は課税される基準が下がっているため、さらに贈与をする方も増えそうです。実際、平成27年度は前年度より約1000件増えたと聞いています。従来の110万円の非課税枠との併用もできるので、今年度もさらに増えるのではないでしょうか。
 三つ目の「住宅ローン減税の延長・拡充」ですが、この制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に取得者の金利負担の軽減を図るための制度で、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されるものです。また、所得税から控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。手厚いですね。
 これが、昨年度の改正にて、平成26年4月からの消費税率引き上げに伴う措置として、引き上げ以降は最大控除額がこれまでの2倍に引き上げられることになりました。最大200万円から400万円への大幅増です。さすがに2倍になるのはうれしいですよね。
 また、適用期限も平成31年6月30日まで延長されることになりました。
 さらに、住宅ローン減税は、中古住宅にも適用となり、その他、増築や一定規模以上の修繕・模様替え、省エネ・バリアフリー改修なども対象となるのですが、省エネやバリアフリーの場合は、別の「リフォーム減税(特定増改築等住宅借入金等特別控除)」とは併用はできませんので、どちらが有利か事前に検討することが望ましいでしょう(適用要件の詳細は確認が必要です)。
 以上、各種制度の延長・拡充を機に、昨年度は購入等をペンディングとされていた方も再度検討されてみてはいかがでしょうか。
 残りのポイント④~⑤の今年度(平成28年度)改正事項につきましては、引き続き、次号で触れさせいただきたいと思います。