まだまだある駐車場の収益改善法 自動販売機で月商20万円|投資・資産運用|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2017.12.11

まだまだある駐車場の収益改善法 自動販売機で月商20万円

まだまだある駐車場の収益改善法 自動販売機で月商20万円
わずか2ヶ月で売上が20万円減少

 比較的少ない投資で手軽に始められる駐車場経営ですが、近年は競争が激化しつつあり、立地に恵まれた駐車場でさえも簡単に大きな売り上げを上げることができなくなっています。今回は、競合の登場とともに売り上げが減少したコインパーキングの収益改善事例をご紹介します。
 東京都台東区で貸しビル業を営むAオーナーは、近所で収容台数20台、30分200円のコインパーキングを経営しています。周囲にこれといった競合がなかったため、約20年前にオープンして以来、長年にわたり毎月200万円以上を売り上げていました。1日で10万円近くを売り上げたこともあったそうです。ところが4年ほど前から、売り上げが落ちてきました。
 駐車場があるのは、昭和40年代から50年代にかけて開発された古い建物が建ち並び、5年ほど前から、あちらこちらでビルの建て替え工事が行われるようになったエリアです。新しいビルができればテナントも増え、今まで以上に駐車場が利用されるだろうと、Aオーナーは期待していました。ところが、最初は順調だったビルの立て替えも段々とペースが落ち、ビルは壊したものの更地にして寝かされる土地が増えていきました。「おや?」と思ったAオーナーは、知り合いの不動産業者に聞いてみました。すると、「どうやら建築費が上がっているため、建て替えの計画が延期されているらしい」という答えが返ってきました。さらに不動産業者は、Aさんが耳を疑うような事実も口にしました。それは、そのまま何もせずに放置しておくことはできないから、近いうちにコインパーキングになるという内容でした。しかもそれが1ヵ所だけでなく、ほぼ同時期に3ヵ所もオープンするというのだから、Aオーナーは大変驚くとともに、大きな危機感を抱きました。
 案の定、近隣に新しいコインパーキングが相次いでできると、Aオーナーの経営する時間貸し駐車場の売上は徐々に減っていきました。毎月200万円以上あった売り上げは、わずか2カ月で150万円にまで減少したそうです。コインパーキングの売上としては、それでも非常に優秀でしたが、Aオーナーはさらに競合が増えたときの場合に備え、収益改善の対策を講じることにしました。

空きスペースは極力無駄にしないこと

 まず着手したのが料金改定でした。一人勝ち状態だった頃は、「30分200円」以外の料金はありませんでしたが、他のコインパーキングに倣い、「1日最大3000円」という料金制度を導入しました。こうした料金改定は利用者に良い印象を与えるので、客離れの防止になります。
 続いて行ったのが、駐車場の空きスペースを使ったサイドビジネスで、自動販売機の設置でした。実はAオーナーの駐車場には、道を挟んだ向かいにコンビニがあるため、自動販売機を置いていませんでした。実はあるベンダーから、自動販売機を侵せてほしいという話は過去に何度かあったそうなのですが、コンビニへの遠慮からずっと断っていたそうです。ただ、今回ばかりは他人の心配ばかりしていられないと、駐車場の出入り口の部分に2台の自動販売機を置くことにしました。しかも、基本的に販売価格を下げることができないコンビニよりも、10円安い価格設定にしました。これが見事に当たり、設置から3ヶ月目には2台で20万円を売り上げるようになったそうです。
 Aオーナーはさらに、隅の空きスペースにコンテナを3つ設置して、バイク専用の月極駐車場を作りました。これは色々と調べていく中で、バイク専用の駐車場が不足している情報を得たためです。実際に、バイク駐車場を運営している業者にも話を聞き、とりあえず3台分のスペースを作ることにしたそうです。近隣のバイクショップなどに頼んでチラシを置いてもらったりした結果、ひと月3万円のバイク駐車場は、約2ヶ月ですべて契約が決まったそうです。わずかな空きスペースでさえも、今は何かしらの方法でお金を生み出すことができるのです。
 コインパーキングの売上が現状のまま150万円だったとして、これに自動販売機の売上20万円と、バイク駐車場の売上9万円が加わり、ひと月の売上は約180万円まで回復しました。Aオーナーはさらなる収益改善に向け、現在も新しい商材探しに奔走しているそうです。
 このように、駐車場の収益性を高めるサイドビジネスは他にもたくさんあります。例えば、期間限定で貸し出す、移動ショップというものもあります。用が済めば簡単に移設できる小屋を設置し、フラワーショップや軽食店などに、期間限定で貸し出すというものです。他には、カーシェアを始めるケースも増えているようです。そもそも近年は車を所有するという考えが以前に比べて希薄になりつつあります。必要な時に必要な時間だけ利用できるカーシェアは、若者を中心に大きな支持を得つつあります。
 (一社)優良リフォーム支援協会会員には、駐車場ビジネスに精通した不動産業者もたくさんいます。駐車場経営で何かお困りごとがある方は、お近くの全国優良リフォーム会員までご相談ください。