自然災害鑑定士に聞いてみた~大雪対策編~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2018.11.19

自然災害鑑定士に聞いてみた~大雪対策編~

自然災害鑑定士に聞いてみた~大雪対策編~
数百万円もかかる屋根の修理代、一体どうすればいいの?

 今年は年初めから全国で記録的な大雪が発生し、各地に甚大な被害をもたらしました。メディアでは連日、大雪で押しつぶされた家や一部が損壊した建物の映像が流されました。本格的な冬がもうすぐそこまで近づいたこともあり、今冬はどうなるのかと不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。みなさんは冬の備えは大丈夫でしょうか。火災保険を利用した大雪対策について解説します。
 大雪で自宅が損壊、もしくは倒壊などの被害を受けた場合、みなさんはどうしますか。被害の度合いにもよりますが、修理費用は数百万から、下手をすれば1000万円を超えてしまうこともあります。それでもお金が用意できればまだ良いですが、もしなかったらどうすればよいのでしょうか。まさか、修理をせずにそのままその家に住み続けるというわけにはいきません。どこか親戚のうちに身を寄せるか、引っ越すしかないのでしょうか。もちろんそんなことはありません。ご存じない方が意外と多いのですが、大雪による自宅や建物の損壊被害は、火災保険も保険金で賄うことができます。
 それではどんな条件を満たせば、雪の被害で保険が下りるのでしょうか。例えば、

「積雪による重みで屋根が破損した」
「雪で建物がつぶれた」

という場合は、補償の対象になります。おそらく、雪被害のほとんどはこのどちらかになりますので、大抵は保険金で修理することができるというわけです。ただし、最終的なジャッジは、損害額(=修繕した場合にどのくらいの費用がかかるか)によって判断されることもあるようなので、必ず下りる言うわけではありません。例えば大雪で屋根の一部が破損したが、修理費用が数万円で済んでしまうような場合、保険金が下りないこともあるようです。逆に、建物倒壊など、被害が大きく、残骸の撤去から建て直しまでにかなりの費用が必要そうな場合は、保険金がもらえる可能性が高い傾向にあるようです。
保険が下りるかどうかは、もちろん契約内容によっても異なります。まずは、加入されている火災保険の内容について契約書を確認してみて下さい。補償対象が湯による被害まで含まれているのかはもちろん、自宅がその対象物になっているのかについても確認してみましょう。よくあるのが、補償対象が建物本体のみで、付随する車庫や物置などが含まれていないケースです。この場合は当然ながら、万が一、車庫や物置が雪で被害を受けても保険金はおりません。修理は自己負担することになります。
また、雪で被害を受けた場合でも、状況によっては保険金をもらわない方が良いという場合もあります。自己負担で修理しても大してお金のかからないようなものをわざわざ保険金で修理していては、かえって掛け金が高くなってしまうこともあるからです。ただし、こうした状況を正しく判断するためには、保険はもちろん建築や不動産の知識も必要です。当然ですが、これは素人にはできません。
 もしもそうしたことで相談したいことがある方は、お近くの「自然災害鑑定士」にお尋ねください。自然災害で自宅が被害を受けた場合の対策について、的確なアドバイスをしてくれるはずです。今からでも遅くはありません。もしもの場合に備えて、改めて火災保険の見直しをされてみてはいかがでしょうか。