闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第9回)|著名人|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2020.08.03

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第9回)

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第9回)
05 1番の法則-自分を成長させる糧とは①

 野村監督は、確かに立派な選手だが、同時期に2人のスーパースターがいた。長嶋茂雄と王貞治だ。仕事をする上で、ライバルになる人や企業があるというのは、よくあることだ。
 1番と2番では大きく違う。私がセミナーの講師だったとすれば、企業からの依頼は2番目の場合よりも1番である方が10倍は多いだろうし、もちろんそこから得られる収入や、聞きに来る人の目の輝きも全然違うだろう。企業でもそうだ。

-当社の製品は日本で1番の商品ですから、他社に引けを取りません。他社の商品は当社のものよりも劣りますから、貴方が今後仕事をしていく上で1番を目指すのならば、当社の商品を導入して下さい-

 営業も簡単だろうし、それに伴って売上も変わってくる。
私はいつも、会社を経営する方に対しては「どんなことでも1番でなければ利益は出ません」と言う。だから、最初に1番を取るための方法を考える。
商品の購入を検討している方は、当然1番の会社から順にアプローチしていく。購入単価が良く、またクレームも少なそうで契約の早い方は、1番店を逃すようなことはしない。逆に値引きの要求や細かい注文が多かったり、またいつ契約するつもりなのかも分からないような方は、2番店に流れる。
 当然、2番店は値段を下げなければならないから利益率は悪くなるし、細かい注文にも応じなければならないので手間もかかる。「お金が貯まってから」と、契約を先伸ばされれば追客コストもかかる。
あまり言いたくはないが、金払いが良くて利益の多いクライアントほど、クレームは少ない。一方で、限界まで値引きしたうえ、親身になって何度も相談に乗ってあげたクライアントほど、クレームが多い。その心理学的理由は、後日改めて話すが、とにかく1番にならないといけないのである。

「でも、うちは家族経営だし、そもそもそんな知名度もなければ、特徴的なものないし・・・」

と愚痴をこぼす経営者は、今すぐ経営者をやめた方が良い。貧乏で知名度がなく、特別な技術を持っていなくても、野村監督は1番になったのだから。
では、何で1番を取ればよいのか?野村監督は一軍に上がるときに、もっとも選手層が薄く、うまい選手がいないポジションを選んだ。