闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第18回)|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.06.07

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第18回)

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第18回)
08 営業に必要なものとは-仕事心と商売心②~仕事をする≠商売をする(駆け引きをする)②


 長嶋茂雄さんの天才ぶりについて語る野村監督。その表情は真剣そのものだ。

-いくら駆け引きをしようと話を振ってみてもまったく乗ってこないんですね。

野村 銀座のクラブの話を振ってもまったく反応なし。それどころか、向こうがまったく別のことを聞いてくるから話が全然嚙み合わない。逆にこっちが頭に来ちゃうくらいだったよ。とにかく集中力のすごさは群を抜いていたね。だから駆け引きをしない連中を見ていると、ものすごくイライラするね。勝負しろと言いたくなる。

 野村監督といえども、選手の教育には悩んだというわけだ。私たちの仕事に置き換えると、

「みんな、ただ働いているんだよね。商売してないんだよ。商売心というのが一切ないんだよ」

ということだろう。
 教えられているという感覚の時点で、その企業はまだまだなのだ。「覚えたい」「成長したい」という雰囲気を作れるかどうかが、社長の責任なのかもしれない。
 社長業というのは、自分の物差しで社員を判断する。当然、このような愚痴が出る。

「優秀な社員が集まらないんだよね」
「いくら教えてもなかなか理解してくれないんだよ」

 優秀な社員がしてくる。

「今度の社員さん優秀ですね。良い型を採用されましたね」

しばらくして、例の優秀な写真の姿が見えないのでさりげなく

「先日の社員さんはどうされたのですか?」

とさりげなく聞いてみると、

「辞めて独立したよ」

 優秀な社員は独立するものである。自分が育てずして優秀だったわけだから、これは当然の成り行きだと言えるだろう。