50年健楽住宅~リフォーム後、しばらくして夫婦がそろって体調不良に!~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2021.06.21

50年健楽住宅~リフォーム後、しばらくして夫婦がそろって体調不良に!~

50年健楽住宅~リフォーム後、しばらくして夫婦がそろって体調不良に!~
原因は建材に含まれている有害物質か!?

 -リフォームからしばらくして、頻繁に体調不良に襲われるようになった-最近、こんな話をよく耳にします。なぜリフォームしたばかりの家で健康被害が発生するのでしょうか?リフォームの落とし穴について、実例をもとに解説します。

「妻と快適な余生を送るために、定年退職を機に長年住み続けた自宅をリフォームした。しかし、期待とは裏腹に、リフォーム後しばらくして思わぬ事態に見舞われました」

 こう話すのは、今から4年前に、当時で築35年にある自宅をフルリノベーションしたという小松信二郎(69)さんです。
 小松さんが言う「思わぬ事態」とは、奥さんの体調不良です。新しく生まれ変わった自宅での新生活をスタートさせて半月ほどが経過したある日、奥さんが強い眩暈に襲われて倒れました。信二郎さんは慌てて病院に連れていったところ、その日のうちに体調は回復。奥さんはその日のうちに自宅に戻りました。
 しかし、翌日になると、奥さんは再び体調不良を訴えました。しかし、病院で診察を受けさせても原因は分からずじまい。結局、大事を取って奥さんはその日は入院することになり、信二郎さんは一人で自宅に戻りました。

「それまで妻はずっと健康で、病気らしい病気はほとんどしていませんでした。それが突然どうして・・・」

 翌日、奥さんはすっかり元気を取り戻していました。安心した信二郎さんは、気分転換にと、その日は自宅から車で1時間半ほどの場所にある温泉宿で一泊することを提案し、奥さんもそれを快諾しました。
 しかし、温泉宿から戻った小松さん夫婦に、またも予想外の出来事が起こります。何と、今度は夫婦そろって強い頭痛に襲われたのです。

「最近、自分たちの周りで変わったものと言えば、家の環境だけだ。もしかしたらリフォームに原因があるのかも・・・」

直感的にそう感じた信二郎さんは、体調が回復するとすぐ、知り合いの建築士のもとを訪れ、これまでのいきさつについて、詳しく説明しました。話を聞いた建築士は、

「自宅を見ていない段階でははっきりしたことは言えませんが、リフォーム後に体調不良になるケースは、最近割とよくあります。原因はリフォームで使用した建材などに含まれている有害物質で、家の気密性も相まって発症することが多いようです」

と言いました。これを聞いた信二郎さんにはいくつか思い当たることがありました。

「夫婦ともに60代半であることを考え、シックハウス症候群対策にと、気密性を高めるリフォームを行ったんです。それがかえって、有害物質が溜まりやすくしてしまっていたようです」

 信二郎さんは建築士と相談の上、追加で24時間換気システムを設置し、家の換気性を上げることにしました。加えて、普段から日中の換気に気を配り、家の中に有害物質が溜まらないように心掛けました。すると、有害物質の発生もだいぶ落ち着いたのか、半年ほどもすると、ほとんど頭痛や目眩を感じることはなくなったそうです。

「このまま症状が治まらなければ、再び家をリフォームすることも覚悟していました。それが今ではすっかり症状も落ち着き、快適な生活を送ることができています」

 リフォームで使う建材の中には、多かれ少なかれ、有害物質の類が含まれているものがあります。そうした物質を含まない建材を100%使用できるのであれば、それにこしたことはありませんが、現実的にそれは難しいのが実情です。それゆえ、リフォームを行う際は換気や気密性にも十分配慮するようにして下さい。快適な暮らしを実現するためのリフォームの相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。