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2021.07.19

あなたのお宅は大丈夫?建物診断講座

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壁のヒビ、放置しておくと建物倒壊のリスクが増大!

 コンクリート造の建物に付き物のクラック(ヒビ割れ)。みなさんは、どうされていますか?クラックはそのまま放置しておくと、建物全体の劣化を招く恐れがあります。見つけたらできるだけ早急に対処しなければなりません。今回はクラックの種類や、できてしまった場合の対応などについて解説します。

 クラックとは、コンクリートに発生するヒビ割れです。みなさんも、コンクリートの壁にヒビが入っている様子を、これまでに何度も見たことがあると思います。

「うちは木造住宅だから関係ないや」

とおっしゃる方がたまにいます。しかし、例え木造住宅であっても、よほど古い家でない限り、基礎部分にはコンクリートが打たれていることがほとんどです。これからお話しすることは、基本的には家をお持ちの方すべてに関係するお話だと思って下さい。
 そもそも、なぜコンクリートにヒビ割れが生じるのでしょうか?原因はいくつかありますが、その中で最も多いとされるのは、内部に含まれる蒸発によってコンクリートが縮小して生じるヒビです。次に多いのは施工不良です。打設の際に空気抜きが十分でなかったり、水を多く入れ過ぎたりすると強度が不足し、ちょっとした環境の変化でヒビ割れが生じることがあります。他に、内部に含まれるカルシウムの中性化や、地震・地盤沈下などで家が傾き、その歪みによってひびが入ることもあります。
 では、クラックを放置しておくと、家にどのような影響が出るのでしょうか?もっとも警戒しなければならないのは、クラックからコンクリート内部に雨水が侵入して鉄筋を錆びさせ、構造体を劣化させる現象です。もともと大きな地震に耐えられるように造られている建物でも、強度が低下してしまってはその強さを十分に発揮することはできません。下手をすると、木造住宅が倒れないような地震で壊れてしまう可能性もあります。
 また、内部の鉄筋が錆びると、白華(エフロ)という現象が起こります。鉄筋は錆びると膨張し、周囲のコンクリートに圧力を加え、そこからコンクリートを剥落させます。こうなると、補修は簡単ではありません。状況を悪化させないためにも、ヒビを見つけたら速やかに対処することをおススメします。
 では、ヒビを見つけた際にはどのように補修をすれば良いのでしょうか?症状が軽い場合は、わざわざ専門の業者に頼まなくても、自分で補修することができます。施工も簡単で、ネットなどで購入できるコンクリートスティックを、ヒビ割れを生めるように塗布していくだけです。コンクリートの状態によって、補修跡が目立ってしまうこともありますが、あまり費用をかけずにすぐに対処したい方には、この方法が一番おススメです。
 ヒビの範囲が広い、あるいは部分的に滑落が見える場合は、無理に自分で何とかしようとせず、すぐに専門の業者に点検を頼んで下さい。特にコンクリートの表面に錆汁が流れ出した跡があるような場合は、内部の鉄筋の浸食がかなり進んでいる可能性がありますので、注意が必要です。
 状況がひどい場合は、ヒビの周囲を専用の工具で部分的に削り取って補修を行います。削り取った箇所には水の侵入を防ぐためエポキシ樹脂を充填し、さらにその上からモルタルを塗布して完成です。建物内部への浸水がひどいようであれば、もう少し大がかりな補修工事が必要になります。
 クラックは、最初は小さなヒビでも、放置しておくとやがて大きくなっていきます。当然、状況が悪化すればするほど、補修にかかる費用は高くなり、施工にかかる時間も長くなります。被害を最小限に食い止めるためにも、クラックを見つけたらすぐに対処して下さい。また、診断が必要だと思ったら速やかにお近くの全国優良リフォーム会員に問い合わせてみて下さい。