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2021.08.09

建物倒壊を招くシロアリの脅威

建物倒壊を招くシロアリの脅威
ご自宅の床下の湿気対策は万全ですか?

 「シロアリ」には、湿気の多い梅雨の時期に多く見かけるイメージがありますが、実は夏以降もかなり活発に活動します。柱や梁、土台が食い荒らされるようなことになれば、自宅が倒壊してしまう恐れも出てきます。自宅をシロアリの被害から守るためにはどうすれば良いのでしょうか?シロアリ対策について取材しました。

「気付いたときには床下の柱にかなりの被害が・・・。おかげで駆除や修理にかなりお金がかかってしまった。最初からしっかりと対策をしていればこんなことには・・・」

 千葉県柏市に在住の高山健吾さんは2012年頃、自宅がシロアリの被害に遭っているのを発見しました。どうやらかなり前から潜伏していたらしく、家の修理にとても苦労したそうです。
 シロアリは一度発生すると、完全に駆除するのが困難だと言われています。それだけに、普段からの対策が、とても重要になります。
 冒頭でもふれたように、シロアリは湿気を好む傾向があります。つまり、湿気対策こそが、シロアリ対策の第一歩だと言えるわけです。
 家の中でもっとも湿気が溜まる場所といえば床下です。特に、水やお湯を頻繁に使用する浴室や洗面所、トイレ、台所の床下などは注意が必要です。これらの場所でできる湿気対策は、調湿材の施工です。場合によっては床下に潜らなければなりませんが、それを除けば特別な工事は必要ありません。対象となる箇所にまんべんなく敷き詰めるだけで、湿度を丁度良い状態に保ってくれます。新築だけでなく、築古の建物にもおススメです。
 家の構造や建つ場所の土壌などによっては、調湿材だけでは湿気のコントロールがしきれないことがあります。例えば

・もともと湿地で湿気が高い
・敷地内で雨水が溜まりやすい
・配管に水漏れがある
・基礎が低く、床下の空間が狭い

というような場合は、どんなに優れた調湿材を施工しても、完全に湿度をコントロールすることはできません。以上の条件に当てはまる場合は、併せて床下換気扇も取り付けるようにして下さい。
 「防水シート」も、床下の湿気対策にはおススメです。ただし、先に紹介した調湿材や床下換気扇と比べると、施工性のハードルが格段に上がります。というのも、防水シートは、一度床を剥がして全面的に設置する必要があるからです。床板を全部剥がす機会はそうそうありませんので、これは新築時ないしスケルトンリフォームなどを行う際に限られます。もちろん、部分的に床を剥がしながら工事を進めていくという方法もありますが、時間もかかりますし、あまり現実的ではないと思います。
 ここまで、床下のシロアリ対策について見てきましたが、シロアリが発生するのは何も床下だけとは限りません。そこで次は、「こんな場所は注意が必要」というところを、いくつか挙げていきたいと思います。
 もっとも危険度が高いのは雨漏り箇所です。きちんと修理していれば問題ないのですが、中には「たいしたことない」からと、修理をせずにそのまま放置してしまっている方もおられるかと思います。これは大変危険なことです。雨漏りは、最初はわずかなシミができる程度だったとしても、雨が降る度に浸み込む水の量が増えていき、やがて浸透箇所を腐らせていきます。湿気を多く含むようになれば、シロアリの巣窟になりかねません。最近は大型台風やゲリラ豪雨などで、以前よりも雨漏りが発生するケースが増えていると言われていますが、万が一、ご自宅で雨漏りが発生した場合は、絶対に放置せず、すみやかに修理するようにして下さい。
 家の周りに打ち水をしたり、いろいろな道具や置いているご家庭も注意が必要です。内水は適切な量であれば涼をとる上でも良いのですが、必要以上に水をまき過ぎると、家の周りの湿度が高くなり、シロアリを招き寄せてしまう可能性があります。また、庭や広めの駐車スペースがあるご家庭では、夏にバーベキューを行ったりしますが、その際に使用した薪を庭に放置しておくと、雨水にさらされてシロアリにとって格好の住処になってしまう恐れがあります。湿気を含みそうなものは野ざらしにせず、きちんと片付けるようにして下さい。
 もっとも効果的なシロアリ対策は、必要以上に湿気を増やさないことです。「いくら換気をしても湿気が気になる」「きちんと掃除しているのに、水回りにすぐにカビが生える」という場合は、もしかしたら家の湿度調整がうまくいっていないのかもしれません。気になる方は、一度お近くの全国優良リフォーム会員にご相談下さい。