リフォーム取引販売士に聞きました~台風直後の不安な心理を突く悪質業者の手口~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.10.25

リフォーム取引販売士に聞きました~台風直後の不安な心理を突く悪質業者の手口~

リフォーム取引販売士に聞きました~台風直後の不安な心理を突く悪質業者の手口~
行政の依頼と嘘をつき50万円を騙し取る

 いっこうに減らない悪質なリフォーム詐欺。彼らの手口の王道は「不安を煽る」ことです。今日にように、大型台風に豪雨、暴風、河川の氾濫など、自然災害が多発する中では、人々は常に何かしらの不安を抱いています。彼らはそこを巧みに突き、「今やっておかないと、何かあってからでは遅いですよ」と言って消費者の弱みに付け込みます。陽がいじりを取材しました。

「このままだといずれ雨水が侵入して建物が腐ってしまう。すぐに修理した方がいいですよ」

 神奈川県川崎市に住む山口祥子さん(仮名・64)は今から4年ほど前に、リフォーム業者の無料診断を受けた際に言われたこの言葉を信じて、50万円の工事契約を結んでしましました。後に業者の言葉は嘘だと分かったものの、結果的にお金は騙し取られたまま、取り戻す子はできませんでした。
 そもそも山口さんはなぜ、リフォーム業者の無料診断を受けたのでしょうか?無料診断さえ受けなかったら、もしかしたら詐欺の被害に遭わずに済んだかもしれません。理由を聞くと山口さんは次のように言いました。

「実はリフォーム業者が訪ねて来る1週間ほど前に、台風が直撃しました。ご近所でも瓦や屋根が飛ばされた家が何軒かあり、心理的にとても不安になっていました。そんなときに『行政の依頼で地域を点検して回っています』と言われたものだから、つい・・・」

つまり、悪徳業者は一番騙しやすいタイミングを見計らってやってきたわけです。山口さんは、心の隙を突かれてコロッと騙されてしまいました。
 山口さんの依頼を受けたリフォーム業者を名乗る男は、慣れた手つきで家の壁に梯子をかけると、そのまま一気に屋根に上り、15分ほどあちこちの写真を撮っていたそうです。そして下りてくると、デジカメで撮影した屋根の写真を山口さんに見せながら、冒頭のように言ったわけです。

「下から以外で自宅の屋根を見たのは初めてでした。色が同じなので、別の家の屋根の写真だったなんて疑いもしませんでした」

 実はこのとき業者が山口さんに見せた画像は、別の家の屋根の画像でした。屋根を上から見たことがなかった山口さんは、それが自宅の屋根の写真だと思い込まされたわけです。
 男の言葉にますます不安になった山口さんは、その場で50万円の工事契約書にサイン。翌日、修理にやってきた男に現金で支払ってしまいました。
 それから1週間後、離れて暮らす長男が、孫を連れて遊びに来た際に、山口さんは屋根を修理した話をしました。それを聞いた長男は、点検から契約、工事までがたったの2日で行われたことに大きな疑問を抱きました。

「特に気になったのが、点検が15分で終わってしまったことでした。しかも点検時の屋根の写真は、契約前に一度見せてもらったきりだったそうです」

 長男はすぐに、契約書に書かれた連絡先に電話をかけてみましたが繋がりませんでした。そこで、行政に電話し、地域の無料点検を実施しているかどうか尋ねました。答えは「ノー」でした。男が言った「行政の指示による無料点検」も「屋根が傷んで雨漏りの死のパイがある」というものすべて嘘だったのです。
 長男は念のため、実際に屋根の修理が行われたのかを確認するために、近所の工務店に事情を話し、点検してもらいました。

「工務店の方曰く、修理した形跡もなければ、屋根自体、修理が必要なほど傷んでもいないということでした。母は50万円を騙し取られてしまったわけです」

 不安を煽り、必要のないリフォーム工事契約をさせるのは、悪徳業者の常套手段です。中でも注意しなければならないのは、割引キャンペーンなどを謳い、その場で契約させようとするケースです。その場で契約すれば安くなると言われれば、思わずサインしてしまいたくなる気持ちも分からなくはありませんが、リフォーム工事の場合、絶対にその場で契約をするのはやめましょう。割引キャンペーンが適用されなくなってしまうかもしれませんが、必ずご家族や第3者の意見を聞いてから、契約をするかどうか判断するようにして下さい。リフォームトラブルでお困りの方は、お近くのリフォーム取引販売士にご相談下さい。