リフォーム取引販売士に聞きました~勝手に設置したブルーシート代に20万円を要求する悪徳業者~|リフォーム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.11.29

リフォーム取引販売士に聞きました~勝手に設置したブルーシート代に20万円を要求する悪徳業者~

リフォーム取引販売士に聞きました~勝手に設置したブルーシート代に20万円を要求する悪徳業者~
不安を煽る手口に気を付けろ!

 テレビやインターネットなどで、悪質なリフォーム詐欺が数多く取り上げられているにもかかわらず、被害者の数は少なくなるどころか、増え続けています。おそらく詐欺に遭ったこと気付いていない方も多くいらっしゃるはずです。どうすれば詐欺に引っかからずに済むのでしょうか?事例から検証します。

「先日の台風で屋根の一部が破損して雨漏りが発生した。修理にどれくらいかかるか分からなかったので、とりあえず業者に見積りを頼んだら、来るなり屋根にブルーシートをかけ、数日後に180万円と書かれた契約書を持ってこられた・・・」

こう話すのは千葉県柏市に住む高橋穣一さん(68)です。
 2019年9月、千葉県を、強風を伴う台風が直撃しました。当時、ゴルフ練習場の大きなネットが、裏手にある家屋に倒れ掛かっている映像が、テレビで頻繁に流されていましたので、覚えている方も多いと思います。
 高橋さん宅もこのとき被害を受けました。屋根瓦の一部が強い風で剥がれ落ち、そこから雨水が建物内に侵入し、家具の一部が水浸しになってしまいました。幸い、気付くのが早かったため、被害は最小限に抑えることができたそうです。
 事件は台風が去った3日後におきました。破損した屋根をそのままにしておくわけにはいきませんので、高橋さんはすぐに修理業者を探しました。しかし、同じような被害に遭った家が多かったためか、どこの業者も手いっぱいで、すぐに対応してくれるところがなかなか見つかりません。仕方なく、遠方の業者も調べてみたところ、たまたま手の空いている業者が見つかりました。しかも、ホームページで「見積無料」と謳っていたため、高橋さんはすぐに見積りを依頼しました。
 間もなくしてやってきた業者は高橋さんに次のように言いました。

「今回は災難でしたね。さぞやお困りのことでしょう。とにかく状況を確認しないことには見積りを作ることができません。一度、家の中を見せてもらっていいですか?」

 高橋さんは言われるがまま、業者を雨漏りの発生した部屋に案内しました。すると、5分ほど現場確認を行った業者は車に戻り、一緒に連れてきた部下に何か指示をし出しました。指示を受けた部下は車の荷台から梯子を取り出すと、そのまま高橋さんの家に建て掛け、ブルーシートを片手に屋根へと上がっていきました。そして慣れた手つきでシートを雨漏りが発生した場所に被せると、屋根から降りてきて業者とともに車に乗り込み、「また後日来ます」と言って、帰ってしまいました。
 業者は2日後に再びやってきました。そして1枚の書類を高橋さんに手渡しました。それは、「修理代100万円」と書かれた契約書でした。

「見積り書すらもらっていないのに、いきなりこんな高い金額で契約だなんて聞いていない」

高橋さんが言うと業者は、

「そうおっしゃいますが、先日伺った段階で、ブルーシートの設置作業を行っていますから、今さらキャンセルは困りますよ。必要ないのであれば、先に行ってもらわないと。それに他の業者はどこも手いっぱいで、すぐに修理に来てはくれません。うちに頼むしかないんじゃないですか?もしキャンセルされるのであれば、ブルーシートの設置代として20万円だけは頂くことになりますがよろしいですか?」

 足元を見られてしまった高橋さんは、悩んだ挙句、仕方なく、業者の提示した金額で契約書にサインをしたそうです。

「後日、似たような台風被害に遭った友人にこの話をしたところ、修理代は40万円程度だったと言われました。どうやら、人の不幸に漬け込む悪徳業者に引っかかってしまったようです・・・」

 不安を煽ったり、心のスキを突くのは、悪徳業者の常套手段です。今回のケースでは、他に頼む業者がいないことを逆手に取られて、無理やり高額な契約書にサインをさせられてしまいました。「すぐに修理をしなければ」という焦りさえなければ、もう少し冷静に状況を判断できていたかもしれません。「おかしい」と少しでも感じた場合は、自分だけでは判断せず、家族、もしくは友人に相談するようにしましょう。リフォームトラブルでお困りの方は、お近くのリフォーム取引販売士にご相談下さい。