闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第25回)|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2022.01.10

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第25回)

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第25回)
11 社員教育のあるべき姿②

 まだ、野村監督が二軍時代の頃に、一郡が優勝したときの話である。

野村 3年目のキャンプがハワイで、二軍から応援を出すことになった。先輩で小杉さんと相場さんという人がいたので、この人たちまでだろうと思っていたら、俺も推薦してもらえて、それで一軍キャンプに同行したの。ハワイでは日本人が経営するコバヤシホテルに泊まっていたんだけど、夜は誰もいなくてマネージャーと俺だけ。給料安いから小遣いも持っていかなかった。1日2ドルの手当てが出たので、それを5日間貯めて土産を買って帰ろうと決めていたから、どこにも行ってない。それで明日、日本に帰るって日に同級生の戸川というピッチャーがいて、そいつの親戚がハワイにいたから、どこにも行ってなかった俺を、「親戚の家だけど行くか?」って食事に招待してくれたの。門限23時だから帰ろうって言うと、今日は最後の日だからいいだろうってことになって、それで遅れて帰ったらホテルの本館から休館の通路で大声で全員を集めて説教してるの。しばらく隠れて様子を見ていたんだけれど、どうせ怒られるんだからと出て行ったら、案の定、大声で怒鳴られてビンタされて、正座させられて、そのときはせっかくチャンスを掴んだのに、帰ったらまた二軍かよって、すごいショックだったな。海外旅行なんて珍しい時代だったから、みんな観光気分で練習どころじゃなかったんだよ。延々とハワイキャンプでの反省の説教を聞かされて、ハワイキャンプは大失敗になったんだよ。でも帰国後の新聞に、「その中で一つだけ収穫があった。野村に使える目処がついた」って監督のコメントが書かれていて、これは嬉しかったね。すごい自信になった。

 会社にはお荷物社員と支える社員がいる。自分の給料しか稼げない社員、会社の経費や事務員などの間接経費も入れると、会社にとっては赤字の社員である。
 給料をもらうことが当たり前というような自己主義の社員が増えると、会社の士気は下がり、会社の経営は傾き始める。自分が会社の支える側の社員になったときに、喜びを感じられる社員をいかにして採用し、教育するかが会社の将来を作るのである。
 教育が難しいと判断したのならば、残念だがすぐに辞めてもらうしかない。ときにそのような社員に辞めてもらうことで、他のやる気のある社員の士気が上がることもあるのだ。