リフォームビジネス収益アップのコツ~解体工事の内製化で売上が1億円アップ!~|企業|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2022.08.22

リフォームビジネス収益アップのコツ~解体工事の内製化で売上が1億円アップ!~

リフォームビジネス収益アップのコツ~解体工事の内製化で売上が1億円アップ!~
外注していた頃と比べ1割以上の経費削減に成功

「リフォームと並ぶ新たな収益の柱を作るために始めた解体工事事業がうまくいって、今では年間で1億円を超える売上を上げるようになった。リフォーム業との相性も非常に良いので、これからどんどん伸ばしていきたい」

 こう話すのは愛知県を地盤にリフォーム業を展開するA社の社長だ。A社は住宅と店舗を対象にしたリフォーム業として、今から15年前に創業した。もっとも得意としているのは、建物をいったんスケルトン状態にしてから行うフルリフォーム・フルリノベーションで、累計100件を超える実績をもつ。
 そんなA社は4年前に、新たな事業として解体サービスを立ち上げた。きっかけは、リノベーションの営業で知り合ったある施主から言われた一言だった。

「金額の部分であと少し、どうしても折り合いが付きませんでした。我々の困っている様子を見た施主は『解体工事なんてリフォーム工事に慣れた人なら誰でもできそうなのに、なんでわざわざ外注しているんですか?外注せずに自分達でやれば、もう少し費用を抑えられるんじゃないでしょうか?』と言いました。それを聞いた瞬間、頭に閃きのようなものを感じました」

 A社は創業時から解体作業はすべて専門業者に外注していた。自社で抱える人工を最小限に抑え、営業に集中するためだ。しかし、この頃には所帯もだいぶ大きくなり、人工の数もかなり増えていた。今なら、解体作業を自社で行っても営業面に支障をきたすことはないだろうと考えた社長は、すぐに内製化の準備に取り掛かった。

「解体工事は請負金額が500万円以下であれば、『解体工事業登録』をするだけで行うことができます。金額が500万円を超えると、それとは別に『建設業許可』が必要になります。当社は『建設業許可』を取得していなかったため、500万円以下の解体については自社で行う方針に切り替えました」

 ここで気になるのが解体業の作業内容だ。“解体”と聞くと「壊すだけだから簡単だ」と思う方もいるかもしれないが、実は想像以上に難しい作業を伴うこともある。ときには大型の重機を使わなければならないケースもあるだろう。リフォーム会社が簡単に始められるものなのだろうか?A社の社長は、

「我々がやっているのは店舗と住宅のリノベーションです。解体作業と知っても建物内の壁を壊したり床をはいだりする作業が中心ですので、複雑な作業はほとんどありません。リフォーム業である程度の実績があれば、誰でもできると思います。もし重機が必要だというなら、それは外注業者に頼めば良いだけです」

と話す。
 実際、解体作業の内製化によってA社は以下のようなメリットを得ることができたのだという。

①コストダウン

作業を外注していたときと比べて、解体工事にかかる費用を1~2割程度削減

②解体作業時間の短縮

外注先が忙しいときはすぐに解体作業に入ってもらえなかったが、今は自社のスケジュールを最優先に解体作業を進めることができる

③売上アップ

空家の解体など、リノベーションを伴わない解体工事も受注し、会社の売上がアップした

④職人を無駄なく動かすことができるようになった

それまでは解体が終わるまで手持無沙汰になっていた職人がいたが、解体作業に従事させることで無駄なく稼働させることができるようになった

 もちろん、内製化のきっかけとなった施主の契約も見事、受注できたそうです。解体作業は今や売上1億円を超える第2の収益の柱となり、リフォーム工事受注のきっかけにもなっているそうです。
 コロナ禍を機に、リフォーム市場は活発化していますが、一方で競争は激化の一途を辿っています。みなさんも、他社との差別化や新たな収益源を作るために、解体工事の事業化に取り組んでみてはいかがでしょうか?