闘将野村「弱小企業を一流へと導く新経営理論」(第34回)|著名人|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2022.11.14

闘将野村「弱小企業を一流へと導く新経営理論」(第34回)

闘将野村「弱小企業を一流へと導く新経営理論」(第34回)
14 マーケティングの極意-敵を知って己を知れば百戦して危うからず④

中小企業の社長と話をする。

「そんな価格で売ったら赤字になるじゃないですか?」

集客を増やして総合利益を上げるには、実弾作戦が一番早い。『赤字』ではなく、それを『広告費』という考えができなければ、1番店への道のりは遠い。
 スーパーを考えてみて欲しい。130円で仕入れた卵パックを、チラシには「98円セール、一家族1パックまで」として販売する30円で仕入れたもやしを「もやし10円一家族2袋まで」としてチラシに載せる。確かにその商品だけ見れば赤字かもしれないが、ついでに調味料も鮮魚も買って帰るのだ。当然、トータル利益は大きいものになる。一番効果的な広告手法は『実弾広告』なのだ。

「卵ともやししか買わないで買えられたらどうするんですか?」

その人はきっと近所の奥様に次のように話すだろう。

「あそこの新しくできたスーパー、ビックリするくらい安いわよ!」

たった原価50円で、信頼性の高い知り合いからの口コミ広告を吹聴してくれるのである。
 マーケティングと先述の基本的な考え方だが、ほとんどの会社がマーケティングまでは行うが、それから先のライバル会社のシェアを減らす作業まではしていない。相手のシェアを減らすためのマーケティングもしなければ、意味はないのである。
 これは地域の商売にも同じことが言える。近隣に同じような店舗や商売がある場合、相手の利益が取れている商材を利益が出ないようにして身動きをとれなくし(チラシ、営業マンの雇用、ショールームの新設といった営業活動をできなくする)、自社の地域のシェアを獲るのである。利益の最大化は、地域シェアNo.1しか取れないのだから。

(次号へ続く)