闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第39回)|著名人|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.04.17

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第39回)

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第39回)
16 社員戦力の最大化!-伸びる組織の作り方②~社長の仕事は戦力の最大化である~

 今まで期待していなかった社員を役職に就けたら急に成果を残したり、逆にやるだろうと期待して役職に就けたら、口ばかりで部下に指示を出すだけで、自分は何もしないといった社員もいる。
 経営者と社員の間には埋まらない溝がある。経営者は社員のことを考えてモチベーションを上げようと、歓迎会や飲み会をしたり、運動会や社内旅行をしたりといろいろ考えるが、成果といえば、今まで話したことのない人間とコミュニケーションができたといった程度で、ほとんど効果はない。それは、社員は会社のことは考えていないからだ。

「むしろ当社は仕事とプライベートはきっちり分けています。社内旅行はありません。その代わり、ボーナスなど別の形の手当てで支給しております」

という方がどれだけ求人効果が高いだろうか。
 会社行事やイベントは、社員のやる気や士気を上げるための行為であるが、子ども扱いされた社員は手取り足取りする世界がその会社のルールだと考えるため、おのずと考え方が受け身になってしまう。だが、はじめから

「あなたはプロですよ。自分で考えて働かなければプロ失格です。失格であれば、仕事で使わないだけです」

と突きつけてみたらどうだろうか?やる気がある、ないではなく、与えられた仕事を達成しなければならないから、自分で考えるようになる。
 年功序列が当たり前の時代は、実力以外で役職を割り振っていた。しかし、そろそろその役職自体もなくしてしまって良いのではないだろうか?
 社員は入社した会社に最後まで勤めるという考えが普通だった頃は、愛社精神教育が必要であり、社員も一生勤め上げる以上、その会社で何とかポジションを獲ろうと必死だった。
 社内営業は得意だがあまり働かない社員は、社内では上司に気に入られる。だが一方で部下に強く当たったりする。
役職でのグループを作るから、下の社員の手柄も上司の手柄となり、私が仕事をさせましたと大きな顔をさせてしまう。あるのは、部署と役職だから、そこに縦の関係がなくても成り立ってしまうのだ。
 もちろん、経営に向く人間がいれば、社長=経営判断も役割も任せてしまい、自分が株主という立場に入るといった極端な考えでも成り立つ。

(次号へ続く)