ご存知?自宅の耐震性能~自治体の無償診断を利用して自宅の耐震性能をチェック~|住まい|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.04.24

ご存知?自宅の耐震性能~自治体の無償診断を利用して自宅の耐震性能をチェック~

ご存知?自宅の耐震性能~自治体の無償診断を利用して自宅の耐震性能をチェック~
補助金・助成金制度の利用が可能

「まさかこれほどまでに危険な状態になっていたなんて・・・。今まで地震で大きな被害が出なかったのは、ただただ運が良かっただけなのか・・・」

 みなさんは、ご自宅の耐震性能がどのくらいあるのかご存知でしょうか?比較的新しい家にお住まいの方ならもちろんご存知でしょうが、築年が30年、40年を超える古い家にお住まいの方は知らない場合が多いようです。地震はいつどこで起こるか分かりません。「南海トラフ地震」のように、そう遠くない時期の発生が確実視されている地震もあります。何もない今こそ、ご自宅の地震対策を見直す良い機会です。今回は耐震補強工事のポイントについて専門家に話を聞きました。

 地震対策の第一歩は、ご自宅の耐震性がどの程度なのかを知ることです。最近の家は購入時にそうしたデータをまとめた資料も用意されているため特に問題ありませんが、古いお宅、特に旧耐震と呼ばれる一昔前の基準で建築された家は、耐震性が不明な場合が散見されます。万が一の場合に備えて、まずは耐震診断を行いましょう。
 
「でも耐震診断って費用がかかるんでしょう?いつ起こるかも分からないし、どの程度の被害が出るかも分からないのに無駄な出費はできない・・・」

もちろん、中にはこうした考えをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。確かに「かもしれない」だけのものにお金をかけるのは勇気がいることかもしれません。でもご安心下さい。耐震診断は、多くの自治体が定期的に無料で実施しています。ご存知ないという方は、お近くの自治体で確認してみて下さい。タイミングさえ合えば、すぐにでも耐震診断を受けることができるはずです。
 次に耐震診断でどのような数値が出たら耐震補強を急いだほうが良いのかも見ていきましょう。耐震診断の基準は、進度6~7程度の地震を想定し、「is値」という数値で表されます。耐震診断の結果、この数値が0.3未満の場合は「倒壊、または崩壊する危険性が高い」、0.3以上~0.6未満の場合は「倒壊、または崩壊する危険瀬がある」、0.6以上の場合は「倒壊、または崩壊する可能性が低い」という具合に、3段階で評価されます。改めて言うまでもありませんが、数値が0.6未満の場合は、すぐにでも耐震補強工事をすることをおススメします。実際、過去の地震データを見ても、is値0.6を境に、低ければ低いほど建物の被害件数が増加する傾向にあります。
 さて、次に問題となってくるのは、耐震診断の結果に基づいて耐震補強工事をするとして、その費用をどうやって捻出するかです。蓄えに余裕がある方は問題ないでしょうが、そういうご家庭は限られます。多くの家庭は例え蓄えがあっても、それは子どもが進学するときに備えてのものだったり、車を購入するための資金だったりすることがほとんどで、耐震診断の結果が悪かったからといって、使用目的を変更することはなかなかできないはずです。では、一体どうすればよいのでしょうか?
 ここでまた自治体が登場します。実は自治体および国は、耐震補強を目的としたリフォーム工事を対象にした補助金・助成金制度を用意してくれています。どのくらいの金額が補助されるのかは、自治体や制度ごとに異なりますが、中には100万円を超える補助が出るものもあります。耐震診断の実施状況とともに、もしもの場合に備えて補助金制度についても調べるようにしましょう。
 最後に、耐震補強工事の内容について見ていきたいと思います。耐震補強工事おもに3つに分類され、それぞれかかる費用や期間が異なります。

①外壁を撤去して外部から耐震補強をする方法

もっとも確実性が高いとされるのは、外壁を一度撤去して行う耐震補強工事です。これは、柱や構造の状態だけでなく、基礎や土台部分のチェックも同時にできるため、隅々までしっかりした耐震補強ができます。ただし、工事が大掛かりになる分、費用はやや高めです。

②外壁を撤去せずに外部から耐震補強する方法

 できるだけ費用を抑えて耐震補強をしたいという方には、外付けの耐震補強フレート等を用いた補強工事がおススメです。ただし、こちらは壁の中身を目視で確認できないため、確実性については外壁を撤去して行う耐震補強よりも劣ります。

③内壁を撤去して耐震補強する方法

 おそらく、最も多く行われているのは内壁を壊して、家の内部から行う耐震補強です。柱や構造体の状況なども把握できるため、確実性は高いです。内装工事を同時に進められる点で、リノベーションとの相性は抜群です。


 どの方法で工事を行うかは、予算や建物の状況によって判断する必要があります。みなさんもこの機会に一度、ご自宅の耐震性能について見直してみてはいかがでしょうか?ご相談はお近くの全国優良リフォーム会員まで。