賢い補助金制度の使い方~補助金を活用した耐震補強工事の実例~|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.06.19

賢い補助金制度の使い方~補助金を活用した耐震補強工事の実例~

賢い補助金制度の使い方~補助金を活用した耐震補強工事の実例~
いつ起こるか分からない地震だからこそ備えは万全に!

 全国各地で頻発する地震。最近も能登半島で大きな地震が起きたばかりです。メディアでは地震によって壊れた家の様子が、毎日のように報道されていました。被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
ところでみなさんのご自宅は、地震が起きたときに備えて対策は十分にされていますか?特に築年数の古いお宅にお住まいの方は、耐震補強等で地震が来てもご自宅が倒壊しないように対策を講じることをおススメします。補助金を活用した耐震補強工事の事例を取材しました。

「築50年近い自宅の耐震補強工事を検討しているのだが、費用が思った以上に高かったためどうしようかと悩んでいる」

 こう話すのは、三重県津市に在住の大橋喜朗さんです。築年数が40年、50年を超える家にお住まいの方の多くは、耐震補強工事に関して「すぐにでもやるべき」という認識を思っています。しかし、実際問題として、既存住宅の耐震化はそれほど進んでいません。それは耐震補強工事にかかる費用が高額だからです。政府は2025年までに、既存の住宅のほぼすべての耐震化を完了させることを目標に掲げていますが、こうした事情から実現はほぼ不可能だと言われています。
では、耐震補強工事には一体いくらくらいの費用が必要なのでしょうか?少し前のデータになりますが、平成18年から10年間で耐震工事された木造住宅約2万3000棟に対して行われた調査によると、施工費用の平均は約152万円だったそうです。これはあくまでも全体平均ですので、旧耐震基準の建物に限ってみると約175万円と、20万円以上も増えます。新耐震基準の約133万円と比べると、古い建物ほど高額な費用が掛かることがよく分かります。家が倒壊しないようにするためとはいえ、気軽に出せる金額ではありません。本当に起こるかどうかも分からないだけに、二の足を踏んでしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
では諦めるしかないのでしょうか?もちろんそんな必要はありません。実は国や自治体は、耐震補強工事を対象にした補助金制度を設けています。

「え、そうなの?」

と驚かれた方もいらっしゃるでしょう。実際、東京都内で毎年、耐震補強工事を15件ほど手掛けているA社によると、顧客の5割は補助金制度の存在を知らずに問い合わせをしてきたそうです。
 冒頭で登場した大橋さんも、最初は補助金制度の存在を知らなかったといいます。見積りの金額を見て悩む姿を見た工務店の担当者から

「もし予算的に厳しいようであれば、諦める前に補助金制度を申請してみてはいかがでしょうか?」

とアドバイスを受け、最終的に自治体から補助を受けて工事を行ったそうです。

「見積りの金額は190万円でした。古い家なのである程度は覚悟していたものの、予想の範疇を大きく超えていました。でも最終的に90万円の補助を受けることができたので、実際の負担は100万円で済みました」

 一つ問題があるとすると、補助金は工事前に支給されるわけではないという点です。支給のタイミングは基本的に工事完了後となるため、施主は工事にかかる全費用を一時的に自分で負担する必要があります。大橋さんは何とか190万円を用意できたため、工事を進めることができました。
 必要だと分かっていても、費用面がネックとなりがちな耐震改修工事。自身はいつどこで起こるか分からないだけに、どうしても一歩前に踏み切れずにいる方も多いと思います。しかし、備えあれば患いなしです。みなさんも是非この機会に、補助金制度を活用した耐震補強工事を検討してみて下さい。興味のある方はお近くの全国優良リフォーム会員にご相談下さい。