DMMオンラインサロン~「M&Aの買い方と特徴②」~(第9回)|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2023.07.10

DMMオンラインサロン~「M&Aの買い方と特徴②」~(第9回)

DMMオンラインサロン~「M&Aの買い方と特徴②」~(第9回)
ネット・相対・仲介・情報の取り方とは・担当者との付き合い方。実績の作り方

また、こんなこともありました。

「EBITDAは3年半で回収できます。地域でCMも売っている有名な不動産会社です」

同様にこちらも調査をします。

「こちらの社長、別会社で不動産の会社も持たれていませんか?そちらの会社は帝国データや商工リサーチでも出てこない会社かと思いますが、そちらでも社長不動産資産を結構お持ちですよね」

「社長、毎年海外のギャンブルにハマっていますよね」

「結構大きな額を使っていると確認しましたが・・・」

「なんで分かったのですか?興信所を入れたのですか」

「そんなことはしていないです。NDAを結んでいますので・・・」


「なんで分かったのですか?」、これは確信犯ですよね。相手の悪いところを知っていながら話してもらえないとなると、こちらも仲介会社に高いお金を払うのですから、お金を払う意味がなくなりますよね。
仮に社長が同業の会社を持っている場合、会社を売却した後、優秀な社員だけ自社の会社に引き抜くことも考えられますし、毎年ギャンブルにハマって海外まで行っているとなると、

「会社のお金を流用していないかな?」
「会社の利益で毎年ギャンブルにハマっている社長を社員はどう思っているのだろ?」

「社員の士気は高いのだろうか?」

「取引先はどう思っているのだろう?」

「銀行の借り入れも多いが、M&A購入後も銀行は継続取引してくれるだろうか?」

等いろいろな質問が出てきてしまいます。それらを説明するのは面倒くさいし、ましてやそれで仲介が流れるのは嫌だから黙っておこうと思い、話さなかったと想像してしまいます。実際それ以外にも実態と違うことが、まだまだ出てきたのですが・・・。現在、M&Aも身近になり売り案件はいくらでも出てきます。直観は結構当たります。「これ何かおかしいな?」と思ったら思い切って購入を諦める勇気も必要です。

良い案件を購入したいと思ったら、まずは良い仲人を見つけてください。相手の悪いところが初めから分かったら結婚できませんし、ましてや結婚してから相手の嫌なところが発覚したからといって、即離婚というのもM&Aはできません。離婚ができないのがM&Aなのです。

『将を射んと欲すればまず馬を射よ』

相手の会社を知る前にまずは仲人(仲介会社の担当者)を知ることが実は大切なのです。

※EBITDAとは、金利支払い前、税金支払い前、有形固定資産の減価償却費及び無形固定資産の償却費控除前の利益を指します。
EBITDA= 営業利益+減価償却費 営業利益に非キャッシュ費用である減価償却費を足し戻して求めます。キャッシュベースの利益で原価償却費にはのれんなどの無形固定資産の償却費も含めます。