闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第43回)|対談|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.08.21

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第43回)

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第43回)
18 マーケティング分析-情報戦略と駆引き②

 私も年間500社近くの会社との方とお会いする。最近は会社に行ったときの雰囲気で、「どの程度儲かっているのか?」「うまくいっているのか?いないのか?」が判断できる。赤字で自転車操業になっている会社ほど、自分自身が見えていない。「この単価でこの原価でいくら販売しても利益出ないよね」と誰にでも計算できるようなことが分かっていないのだ。
 あるサンドイッチ屋の社長の話だ。

「単価を上げるしか方法はないですよ。しかし、ただ単に単価を挙げたら顧客離れが起きるから、すべてを上げるのではなくて、一部は目玉商品を作って安価なまま残し、他は付加価値を付けて単価を上げましょう。それで少しずつ高単価商品並行していきましょう」

と今後の運営方針の話をした。しかし、しばらくして再び店を訪れてみると、さらに単価を下げて売っていた。話を聞くと社長は次のように言った。

「値下げした分、数を売れば利益が出ますから・・・」

確かにそうなのだが、工場製造で機械の稼働余力があるのであればそれでもかまわない。しかし、その店のサンドイッチはすべて手作り。手作りだと、深夜寝ずに徹夜で作っても、作れる数には限界がある。ダメな経営者ほど根性論に陥りやすい。
 価格を安くして販売するのは、頭を使わなくて済むので誰でもできる。逆に高く買ってもらうのは難しい。お客様のデータを分析して、他社にない差別化ができるかどうかが鍵になるからだ。

(次号に続く)