スタン・ハンセン氏インタビュー第2章「プロスポーツ界に学ぶ経営と事業承継②」|対談|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.10.02

スタン・ハンセン氏インタビュー第2章「プロスポーツ界に学ぶ経営と事業承継②」

スタン・ハンセン氏インタビュー第2章「プロスポーツ界に学ぶ経営と事業承継②」
現在は株を中心に資産運用

 前号で久しぶりに本紙に登場したスタン・ハンセン氏。事業家として第2の人生を歩む同氏は独自の経営哲学について語る。

スタン・ハンセン 第二の人生としてチャンレンジした先生とコーチでしたが、レスラーになる以前にやっていたときとは現場の様子や教え方がずいぶんと変わっていて、長続きしませんでした。昔みたいなやり方は通じないのだなと、やってみてはっきり分かったんです。

-現役時代とは今とでは、仕事に対する気持ちだとか姿勢に変化はあるのですか。

スタン・ハンセン もちろん、今こうして現役を終えて、たまに呼ばれてタレントとして日本に来るのは本当に嬉しいことです。でも歳をとると旅自体が大変なこともあります。アメリカでもイベントに行くことはありますが、現役時代のようにお金だけのためにがんばるということはもうなく、自分の身体とのバランスを第一に考えていますね。「もっとお金を稼ぎたい」「これがないと駄目だ」というような考え方は今はしていません。お金の部分に関して言えば、今は現役時代ほどの収入はないわけですから、常に自分のスタンダードを守る、借金はしないという考え方でやっています。もちろん無理をしないとリターンがないことも分かっていますが、もう私はそういうことを求めるような年齢ではありません。

-気持ちの変化は年齢的な部分が大きいということですね。

スタン・ハンセン 実際に一つの区切りがある度に、自分自身が商品であると分かってはいるものの、一方で体力的な衰えを感じています。だからこれかからはどういうふうにして家族と一緒に質の高い生活をしていくか、またどういうふうに自分が実際に動かなくてもある程度の収入を得られるのか、そういうことを考えるようになりましたね。

-投資にはまったく興味がないのでしょうか。

スタン・ハンセン そんなことはありません。株は好きなので現役時代からやっていますよ。株のようなストックの魅力は、売りたいにときにすぐ売れることです。不動産だとそうはいきません。誰か買ってくれる人が現れるまでひたすら待つしかありません。自分が売りたいと思ったらパッと売れる、買いたいと思ったら買える、それがいいんです。私は借金をするのが嫌なので、株の方が向いているのだと思います。

-普段から株の売買は結構されているのですか。

スタン・ハンセン そうですね。ただ売買するだけでなくて、配当を目的とした投資もしています。だから特定の分野にこだわらず、さまざまなカテゴリーの企業株を買っていますよ。

-不動産、株以外に、資産運用のためにされていることはあるのですか。

スタン・ハンセン 昔は資産の半分くらいが不動産でした。今はもう株や国債、ファンドなど、いろいろなものに投資しています。ただ性格的にどれか一つに集中的に投資をしたくないので、すこしずつやっている感じですね。

-投資についてはどうやって勉強されたのですか。

スタン・ハンセン それこそたくさんの本を読みました。20年くらい前からですね。証券会社の人に聞いてとか、何かセミナーに行って勉強したとか、そういうことではなくほとんどセルフラーニングですね。

-勉強通りの成果を得ることができたのか、それとも失敗したが多かったのかというとどちらでしょうか。

スタン・ハンセン もちろん株ですから、すべてがすべてうまくいくわけではありません。もっと早く買っておけば良かったというような銘柄もたくさんありました。でも上がったり下がったりはありましたが、全体的に見たら成功なんじゃないかと思います。こんなこと言うのは何となく気恥ずかしいですが、心配しなくてもちゃんと生活できるような状態にはできています。

(次号へ続く)