闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第45回)|対談|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.10.16

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第45回)

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第45回)
19 高くても商品が悪くても買って売れるお客様の作り方②

-新庄選手の使い方を見極めてうまく起用したわけですが、逆に厳しくした選手もいたのですか?

野村 効く選手も効かない選手もいたからいろいろだよ。

-それはすぐに見極められるものなのですか?

野村 付き合っていれば分かるよ。

-ちゃんとそれぞれに合わせてやり方を使い分けてきたわけですね。

野村 例えばヤクルトの監督1年目、キャンプのはじまる2月がプロ野球選手の正月だから、この2月の1カ月の過ごし方はものすごく大事なの。そういう意味で2月のキャンプでミーティングをするでしょ。ヤクルトのときは皆一生懸命筆記するし聞いている。でも同じようなことを同じように阪神のキャンプでやっても誰も書かないし聞いてない。

-ノートも持てっこない?

野村 一応持っているんだけど、手が動かないし、まず聞いてない。時計ばっかり見ている。ミーティングが終わると遊びに行って誰もいない。キャンプなのに何しに来ているんだ、こいつら!ってなる。阪神の選手はお相撲さんと一緒でどこに行ってもタニマチがいる。阪神はマスコミと担当記者とタニマチがダメにしている。遠征に行ってもみんな出て行っちゃって、ホテルにいるのはマネージャーと俺だけだったもん。

-でも野村さんが監督されてから強くなりましたよね?後を引き継いだ星野監督で優勝もしましたし。

野村 最初のキャンプでダメだと思ったから、オーナーのところに行って「1年で辞めさせてくれ」と言ったの。そうしたら「それは困る!契約期間が3年だから!」と。3年後辞めるときにオーナーから「誰かいい監督いませんかね?」と聞かれたから、「怖い監督がいいですよ。私みたいに利をもって戦う監督はダメです」って言ったの。俺はそれまで監督の依頼があったらどこでもやるってつもりでいたんだよ。でも阪神の監督をやってみて思ったのは、やっぱり監督も自分の野球とチームが合うのか、これをまず見極めなきゃならんということ。それで怖い監督がいいって言ったわけ。でも西本さんを推薦したんだけど断られた経緯があるって言うから、代わりに星野を推薦した。

-それがハマったわけですね?

野村 そうだよ。「来てくれますかね?」と心配していたけど、「二つ返事ですよ」って言ったの。後日「どうでした?」と聞いたら、「いい返事もらいました」と言っていたよ。阪神のようなチームは星野にピッタリなんだよ。

(次号へ続く)