今年こそ絶対にやりたい防寒対策リフォーム~ヒートショック対策編~|リフォーム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.11.20

今年こそ絶対にやりたい防寒対策リフォーム~ヒートショック対策編~

今年こそ絶対にやりたい防寒対策リフォーム~ヒートショック対策編~
ヒートショックによる死亡事故、ヒーターを置くだけで簡単予防

 冬は脱衣場や浴室で急死する高齢者の数が増える時期です。その原因は「ヒートショック」、最近メディアで取り上げられる機会も増えているため、ご存知の方もおられるでしょう。次は特に高齢者のいるご家庭には是非検討してもらいたいヒートショック対策リフォームについて解説します。

「お風呂に入っているはずの父がいつまで経っても出てこないので様子を見に行ったら、洗い場で倒れていた。慌てて救急車を呼んだものの手遅れでした。後で聞いたところ、原因はヒートショックによる心筋梗塞だったそうです」

 ヒートショックとは、部屋差のある部屋を移動した際に血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こる現象のことをいいます。ときに脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、人の命を奪う非常に危険な現象です。その数は、年間で1万7000人にものぼり、年々増え続けています。数字だけではピンと来ないかもしれませんが、交通事故の死亡者数が約7000人であることを考えると、いかに多いかがよく分かるのではないでしょうか?
 ヒートショックは11月から2月の寒い時期に多く発生する傾向にあります。春や夏なら安全かといえばそうではありませんが、冬こそもっとも注意するべき季節であることは間違いありません。冒頭に出てきたケースの場合、寒い脱衣場で服を脱いで体の表面温度が下がった状態で、急に温かいお湯に浸かったことが引き金になったと考えられます。ヒートショックは誰にでも起こり得る事故です。未然に防ぐためには、きちんとした対策が必要です。
 ヒートショック対策の基本は、建物内の温度差をなくすことです。冬は、リビングがエアコンなどで常時暖かい状態であるのに対し、暖房機器のない脱衣場や浴室内の温度はどうしても低くなりがちです。リビングの温度を下げるわけにはいきませんので、両者の温度差をなくすためには脱衣場もしくは浴室内の温度を上げてあげればよいわけです。いくつか方法をご紹介します。
 もっとも手軽かつコストが少なくて済む方法は、セラミックファンヒーターを設置することです。電源さえあればすぐに使用することができますし、それほど重いわけではありませんので、高齢者でも手軽に持ち運びすることができます。必要のない夏場の片付けもラクです。
 ヒーター関連では、ガスファンヒーターや石油ファンヒーターも効果的ですが、正直なところあまりお勧めできません。特に前者は配管工事が必要になってくるため、費用がどうしても高くなってしまいます。また、これは両者に言えることですが、換気に十分注意する必要があります。特に脱衣場は狭いことが多いため、喚起は必須です。使用上の手間などを考えれば、セラミックファンヒーターを選択するのが良いでしょう。
 浴室内は浴室暖房で対策しましょう。ただし、専門業者による設置工事が伴うため、ヒーターやエアコンと比べるとやや費用がかかります。また、在来工法の浴室だと設置できないケースもあるようです。あまりお金をかけたくないという方は、セラミックファンヒーターなどを使ってあらかじめ室内を暖めておくと良いでしょう。もちろん、実際に入浴する際は水滴がかかると危険なので、室外に移動することを忘れないでください。
 浴室・脱衣場以外では、トイレでもヒートショックが頻繁に発生します。トイレはスペースが限られているため、できる対策は限られますが、例えば小型のセラミックファンヒーターなどを設置すると良いでしょう。最近の機種は人感センサーが付いているため、消し忘れ棟がなくて安全です。
 今回ご紹介した方法は、暖房機器を使ってできる簡単なヒートショック対策です。もっとしっかりした対策をしたい方は、壁や窓回りの断熱工事などをご検討下さい。ヒートショック対策のご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。