賢い補助金制度の使い方~お得な介護保険を使った高齢者対応リフォーム~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.12.18

賢い補助金制度の使い方~お得な介護保険を使った高齢者対応リフォーム~

賢い補助金制度の使い方~お得な介護保険を使った高齢者対応リフォーム~
20万円の工事なら自己負担はわずか2万円

 みなさんは、特定の要件を満たしたリフォーム工事に対し、工事金額の一部を補助してくれる制度があることをご存じでしょうか?制度をうまく活用すれば、少ない予算でも理想の家を実現することができます。今回は補助金を活用した介護リフォームの事例をご紹介します。

「最近階段を上がるのが辛くて…」
「足腰が不自由になってきたから安全のために手すりを付けたいのだけれど…」
「両親も高齢になったので、安全のためにバリアフリーにしてあげたい・・・」

など、何十年も住み慣れた家であっても、歳を取るとさまざまな問題が所持てきます。特に古い家は部屋と部屋の境の段差が大きかったり、階段が狭く急だったりで、高齢者の体への負担が非常に大きく、さらにとても危険であることが多いので注意が必要です。安心・安全な生活を続けていくためには、どこかの段階で「介護リフォーム」をしなければなりません。とはいえ、リフォームしたいのはやまやまだけど、「今からお金をかけてリフォームをするのはちょっとなぁ」と考える方も中にはいるかも知れません。そんな方はこれから解説する介護保険を活用したリフォーム補助制度をご検討ください。
 「リフォームなのになぜ介護保険?」と思われるかもしれませんが、実は40歳以上の方が負担している「介護保険」には、介護リフォームを行う際に利用できる補助金制度が用意されています。意外と知らない方が多いようですね。もちろん、これを利用するのには条件あります。まず、どんな方が利用できるかというと、前提として、自治体から「要介護」あるいは「要支援」などの介護認定を受けておく必要があります。この前提を満たした方は、

①手すりの取り付け
玄関、廊下、階段、トイレ、浴室、洗面所などへの手すりの取り付け

②バリアフリー化
居室、廊下、便所、浴室、玄関と各室間の床の段差解消

③床の滑り止め防止
車椅子に向かない畳や、歩行時に滑りやすい床をフローリングなどに変更

④扉の開き戸化
引き戸、折れ戸、アコーディオンカーテンへの変更。ドアノブ変更や戸車の設置も対象

⑤和式トイレから洋式トイレへの変更

といった介護関連のリフォームを行い際に、上限20万円までの改修工事については9割の補助をもらうことができます。20万円の工事がたったの2万円の自己負担でできるわけですから、大変お得です。ただし、一定の所得がある方に関しては、補助金は8割までしか支給されません。トイレや浴室の交換には大掛かりな工事が伴うため、どうしても20万円以上の費用がかかり自己負担は少し増えますが、手すりを取り付けるだけであれば、20万円の中で十分に収まります。手すりがあるだけでも体への負担はかなり軽減されるので、生活は相当楽になるはずです。
 注意点があるとすると、この制度を利用する場合、申請手続きは工事前に自治体に提出しなければならないということです。すでに工事を済ませた方が、後から「介護リフォームしたから補助金をください」といっても補助を受けることはできません。もちろん、介護認定もあらかじめ受けておく必要があります。手続きに必要な資料や審査は、自治体によって差があるようなので、事前にきちんと確認しておくようにしましょう。見積書や図面も必要になるので、工事を頼む業者ともしっかり意思疎通しておく必要があります。
 また、介護リフォームを検討される場合、「介護保険」以外にも利用できる補助金制度がいくつかあります。基本的には複数の制度を併用することはできないようなので、どちらの制度を利用する方がお得なのか、事前にチェックしておきましょう。また、工事に際し融資を利用する場合、金利優遇を受けられたり、あるいはバリアフリーリフォーム減税という制度を利用することもできます。
 今回取り上げた介護保険に限らず、リフォームを対象にした補助金制度にはさまざまなものがあります。リフォームをする際は、ぜひチェックしてみてください。ご興味のある方は、お近くの全国優良リフォーム会員にお尋ね下さい。