自然災害鑑定士に聞きました~大雪で屋根に穴が開いた、一体どうすればいいの?~|住まい|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.12.25

自然災害鑑定士に聞きました~大雪で屋根に穴が開いた、一体どうすればいいの?~

自然災害鑑定士に聞きました~大雪で屋根に穴が開いた、一体どうすればいいの?~
修理費用は火災保険の雪災補償で賄えます!

 毎年、冬になると、大雪で多くの家屋が被害を受けています。即座に修理にかかる費用を捻出できるだけの貯えがあれば良いですが、中にはそうでないご家庭もあります。今回は大雪で破損した家を、火災保険を利用して修理した事例をご紹介します。

「3年前の大雪で近所の家が数軒、大きな被害を受けた。うちはたまたま何の被害もなかったが、次も大丈夫だとは限らない。万が一の場合に備えて対策をしないと・・・」

こう話すのは新潟県上越市に在住の山中信二さん(仮名)です。ここ数年、日本海沿岸を中心に、大雪による被害が相次いでいます。山中さんのお住まいの地域でも大雪が降るたびに、雪の重みで屋根に穴が開いたり、雨どいが破損するなどの被害が出ているそうです。家の修理にかかる出費家計にとって大きな負担になるので、できれば押さえたいですよね?そんなときはどんなご家庭でも加入されている火災保険を思い出してください。

「雪に火災保険ってどういうこと?」

おそらくそう疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。そこでまず、家に保管してある火災保険の契約書を手元にご用意してください。火災保険なので当然、火事・火災で受けた被害の補償について書かれていますが、実はそれだけではありません。他にさまざまな自然災害に関する補償についても書かれていませんか?実は火災保険は火事・火災だけでなく、大雨や大雪、台風といった自然災害による被害も保証してくれます。加入の際にきちんと説明を受けているはずですが、何年も前に契約した内容を事細かに覚えている方が珍しいです。もちろん、契約内容によっては火事・火災以外が原因の損害が対象外となるケースもありますが、それはレアなケースです。ほとんどの方が「水災」「風災」「雪災」に対する補償も含む契約をしているはずです。
 問題はどんなケースであれば火災保険の適用を受けることができるのかという点です。大前提として「雪災」とは、「雪の重みや落下によって被った事故・損害」のことを指します。つまり“雪”が原因だからといって、何でもかんでも補償してくれるわけではありません。雪解け水の漏入・凍結や除雪作業中の事故については “雪”が直接的な原因になっていないため、補償の対象外になります。対象はあくまでも「雪で直接受けた被害」だけです。雪解け水で発生した洪水による被害は、水災補償の対象となります。
 次に、雪による被害を火災保険で補償してもらうためにはどうすれば良いのか見ていきます。まず「雪災補償」は基本的に、単独で付帯することはできません。ほとんどの場合、風災や雹災とセットで、火災保険に最初から付いています。つまり、わざわざ「これを付けて下さい」と指定しなくても、火災保険に加入した時点で、自動的に雪災も補償されるというわけです。もちろん、加入者の意思で外すことはできます。現在、加入している火災保険には含まれていないという方は、もしかしたら加入する際に、

「この辺では大雪が降ることは滅多にないので雪災補償はいりません。その分、保険料を安くしてくれた方が助かります」

と言って、ご自分の意志で外したのかもしれません。
いずれにせよ、火災保険に加入している方のほとんどは、雪災も補償されるようになっています。大事なのは、補償の対象をどこまでにしているかです。
 火災保険に加入する際には必ず、補償の対象を「建物」「家財」「建物と家財」の3つから選択します。「建物」とは家本体と、敷地内に設置されたカーポートや物置、屋内にあるキッチンやお風呂、トイレなど、すぐに動かすことのできない住宅設備のことを指します。もう一方「家財」は、家具・家電などを指します。「建物と家財」の場合は、両方とも補償対象になります。
 例えば雪の重みで「屋根に穴が開いた」「雨樋が壊れた」場合は、雪災補償の「家財」に加入している場合に補償を受けることができます。逆に「家財」だけしか選択していなかった場合は保険金が下りません。「冷蔵庫が壊れた」「テレビが映らなくなった」というケースは、「家財」を選択していないといけません。

-雪災被害に遭ったのに補償を受けられない-

そんな事態を防ぐために、できれば「建物」と「家財」の両方を選択した方が良いのですが、わざわざ言うまでもなく、補償の対象が増えるということはそれだけ保険料も高くなるということです。どんなプランにするかは、家計との相談ということになります。
 このように、火災保険は火事・火災以外にも、さまざまな自然災害被害に利用することができます。ただし、請求期限は事故が起こってから3年となっているので、被害を受けたという方は早めに保険会社に確認するようにしましょう。自然災害被害に関する相談は、お近くの自然災害鑑定士まで。