同事業は、既存住宅の窓周りの断熱性の向上と、それに伴うエネルギー負担の軽減、さらには家庭から排出されるCO2の削減による地球環境保護などを目的とした補助事業で、今年度は1350億円の予算がつけられている。事務局によると、4月の募集開始直後から多くの反響があり、8月末時点でその数は累計13万2725件にも達しているという。予算に対する補助金申請額の割合も34％と高い。リフォーム業者の注視しており、
「この補助事業を営業ツールとして活用し、受注を伸ばしていきたい」
「予算の都合上、後回しにされがちだった窓のリフォームが、これで一気に増えるはず」
「窓周りも含めたリフォームプランを積極的に提案していきたい」
と、期待する声が多く聞かれる。
そんな中での今回の発表。原因は何なのか。結論から言うと、問い合わせのほとんどが同事業に登録しているリフォーム事業者（窓リノベ事業者）による「交付申請の出し忘れ」あるいは「申請手続きの遅延」だという。つまり、交付申請の手続きが滞っているため、事務局としても補助金の交付手続きが進められない状況になっているわけだ。今のところ「交付された補助金がリフォーム事業者によって流用された」というようなケースの報告はないようだ。
とはいえ、
「それなら手続きさえ済めば、ちゃんと補助金は交付されるんだな」
と手放しで安心できる状況ではない。今後の対応の仕方いかんでは、工事内容が交付の条件を満たしていたとしても、補助を受けられない可能性が出てくるという。どんな場合に、交付が受けられなくなるのか、それは次のようなケースだ。
補助金を受けるためには、交付申請後に工事内容や見積り等をまとめた書類を提出し、審査を受けなければならない。不備があった場合には、その都度、修正を指示されるのだが、これらは人による手作業で一件、一件行われるため、意外と時間がかかる。今日提出して明日返答が来る、ということはない。ある程度、時間的な余裕を見ておく必要がある。もしこのまま状況が改善せず、交付申請期限である12月31日間近になって、遅延している交付申請がまとめて提出されたらどうなるか。ただでさえ時間のかかる審査が、大渋滞に陥るかもしれない。それでも書類に不備がなければ、そのまま受理される可能性が高いが、万が一、不備を指摘された場合、リフォーム事業者側の修正が間に合わなくなるかもしれない。不備が残ったままで補助金が交付されることはまずない。時間切れという最悪の事態を避けるためにも、まだ余裕がある今のうちに、速やかに手続きを進めなければならない。
「それなら、不備がないようにすればいい」
確かにその通りだが、よほど手慣れた事業者でない限り、不備の訂正は最低でも1，2回はあると考えておいた方が良い。そもそも手慣れているのなら、交付申請を出し忘れたり、遅延したりすることはない。
もし、交付されるはずの補助金がまだ交付されていないのなら、すぐに工事を頼んだリフォーム事業者に確認することをお勧めします。今であれば、まだ十分間に合うはずだ。まだ10月なのか、もう10月なのか、人により反応はさまざまだが、受付終了まで残り3カ月。せっかくの機会を逃さないえ欲しい。
