あなたのマンションは大丈夫ですか?
騒音、回収日以外のゴミ捨て、ペットの無断飼育など、賃貸経営ではさまざまなトラブルが発生します。入居率や入居者の質を維持するためには、問題が発生したら、すぐに対処し、解決を図ることが重要です。今回は駐輪場にまつわるトラブルを取材しました。
「広い駐輪場があるから家族分の自転車も十分置けますと言われていたのに、蓋を開けてみたらパンパンで、無理やり突っ込まないといけない状態だった。倒れて子どもに当たったら危険なのですぐに何とかしてほしい」
神奈川県横浜市に総戸数35戸のファミリー向け賃貸マンションを所有する赤城豊オーナーの携帯電話に、ある日、冒頭のようなクレームの連絡が来ました。電話の主は今年の春に入居者したばかりのAさん。2月に内見したときは十分、駐輪場にはまだ自転車を置けるだけの余裕が十分あったのに、4月になって入居してみたら状況は一変。駐輪場には自転車が溢れかえっていて、Aさんの家族が新たに自転車を置く余裕はなかったそうです。いったい何が起きたのでしょうか。
赤城オーナーのマンションは、ファミリー向けという特性上、1階部分に広めの入居者専用駐輪場が設けられていました。台数にして80~90台分。駐輪場はオートロック式のエントランスの内側にあり、部外者が勝手に停め置くことができないようになっていました。それにもかかわらず、2カ月前にはなかった数の自転車が、駐輪場にあふれかえってしまったのでしょうか?すぐに原因を確認しようとした赤城オーナーですが、ここで一つの問題にぶつかりました。実は先述したように、赤城オーナーの物件は部外者が勝手に自転車を停めることが出ないつくりになっていたため、入居者に駐輪シールの類は配布していませんでした。実質的に、入居者であれば申告なしで何台でも自転車を置くことができるようになっていたわけです。そのため、どれが誰のものかが一目見ただけではまったく分かりませんでした。さらに、よくよく見ると、中には埃をかぶった現入居者のものかさえもわからないものも混じっていました。
「このままじゃまったく手を付けられない・・・」
赤城オーナーはAさんに
「できるだけ早く問題を解決するので少しだけ時間をください」
と伝えたうえで管理会社に相談。現入居者のものがどれかを判別するために、自転車シールを配布することを決めました。
赤城オーナーは自転車シールを数日内に貼ってくれるようお願いするために、入居者宅を一軒一軒訪問。約3週間かけてシールを配布しました。時間と手間はかかったものの、どうにか現入居者と持ち主不明の自転車とを選別することができました。結果、駐輪場にとまっていた自転車の101台のうち、現入居者のものは60台しかないことが判明したそうです。
なぜ、これほどたくさんの放置自転車があったのでしょうか?
「いろいろ考えた結果、元入居者による放置だという結論に至りました。このマンションを建てて15年、毎年2、3台のペースで自転車を放置されていったことになります」
すでに退去済みとはいえ、元入居者のものを勝手に処分することはできません。かといって、すべてをそのまま残しておいたら、Aさんだけでなく、今後の新規入居者も自転車を置くことができません。赤城オーナーは悩んだ末、「大量のホコリをかぶっている」「タイヤが外れている」等、誰が見ても明らかに長時間使われてないと思えるもの29台を撤去。結果、駐輪場の自転車は72台まで減り、スペースに余裕が生まれました。Aさんには、
「いろいろお手間かけさせてしまって申し訳ありませんでした。おかげで駐輪場がとても使いやすくなりました」
と感謝されたそうです。
駐輪場や集合ポスト、ゴミ収集場など、共用部のトラブルは、全入居者に被害が及ぶ可能性があります。手間暇はかかるかもしれませんが、問題が発生した場合は、すぐに対処してください。みなさんも是非、この機会に駐輪場の管理について考えてみてください。賃貸経営に関するご相談はお近くの全国優良リフォーム会員まで。
騒音、回収日以外のゴミ捨て、ペットの無断飼育など、賃貸経営ではさまざまなトラブルが発生します。入居率や入居者の質を維持するためには、問題が発生したら、すぐに対処し、解決を図ることが重要です。今回は駐輪場にまつわるトラブルを取材しました。
「広い駐輪場があるから家族分の自転車も十分置けますと言われていたのに、蓋を開けてみたらパンパンで、無理やり突っ込まないといけない状態だった。倒れて子どもに当たったら危険なのですぐに何とかしてほしい」
神奈川県横浜市に総戸数35戸のファミリー向け賃貸マンションを所有する赤城豊オーナーの携帯電話に、ある日、冒頭のようなクレームの連絡が来ました。電話の主は今年の春に入居者したばかりのAさん。2月に内見したときは十分、駐輪場にはまだ自転車を置けるだけの余裕が十分あったのに、4月になって入居してみたら状況は一変。駐輪場には自転車が溢れかえっていて、Aさんの家族が新たに自転車を置く余裕はなかったそうです。いったい何が起きたのでしょうか。
赤城オーナーのマンションは、ファミリー向けという特性上、1階部分に広めの入居者専用駐輪場が設けられていました。台数にして80~90台分。駐輪場はオートロック式のエントランスの内側にあり、部外者が勝手に停め置くことができないようになっていました。それにもかかわらず、2カ月前にはなかった数の自転車が、駐輪場にあふれかえってしまったのでしょうか?すぐに原因を確認しようとした赤城オーナーですが、ここで一つの問題にぶつかりました。実は先述したように、赤城オーナーの物件は部外者が勝手に自転車を停めることが出ないつくりになっていたため、入居者に駐輪シールの類は配布していませんでした。実質的に、入居者であれば申告なしで何台でも自転車を置くことができるようになっていたわけです。そのため、どれが誰のものかが一目見ただけではまったく分かりませんでした。さらに、よくよく見ると、中には埃をかぶった現入居者のものかさえもわからないものも混じっていました。
「このままじゃまったく手を付けられない・・・」
赤城オーナーはAさんに
「できるだけ早く問題を解決するので少しだけ時間をください」
と伝えたうえで管理会社に相談。現入居者のものがどれかを判別するために、自転車シールを配布することを決めました。
赤城オーナーは自転車シールを数日内に貼ってくれるようお願いするために、入居者宅を一軒一軒訪問。約3週間かけてシールを配布しました。時間と手間はかかったものの、どうにか現入居者と持ち主不明の自転車とを選別することができました。結果、駐輪場にとまっていた自転車の101台のうち、現入居者のものは60台しかないことが判明したそうです。
なぜ、これほどたくさんの放置自転車があったのでしょうか?
「いろいろ考えた結果、元入居者による放置だという結論に至りました。このマンションを建てて15年、毎年2、3台のペースで自転車を放置されていったことになります」
すでに退去済みとはいえ、元入居者のものを勝手に処分することはできません。かといって、すべてをそのまま残しておいたら、Aさんだけでなく、今後の新規入居者も自転車を置くことができません。赤城オーナーは悩んだ末、「大量のホコリをかぶっている」「タイヤが外れている」等、誰が見ても明らかに長時間使われてないと思えるもの29台を撤去。結果、駐輪場の自転車は72台まで減り、スペースに余裕が生まれました。Aさんには、
「いろいろお手間かけさせてしまって申し訳ありませんでした。おかげで駐輪場がとても使いやすくなりました」
と感謝されたそうです。
駐輪場や集合ポスト、ゴミ収集場など、共用部のトラブルは、全入居者に被害が及ぶ可能性があります。手間暇はかかるかもしれませんが、問題が発生した場合は、すぐに対処してください。みなさんも是非、この機会に駐輪場の管理について考えてみてください。賃貸経営に関するご相談はお近くの全国優良リフォーム会員まで。