昨年末に16名が逮捕、総額3億円を騙し取る
自宅購入のための住宅ローンを不正利用した詐欺が横行しています。ここ数年だけでも数多くの逮捕者が出ているにもかかわらず、いまだに後を絶ちません。昨年末にも複数の若者に住宅ローンを利用させて投資用の物件を購入させたとして、指示役とされる東京都江東区の不動産会社役員とそのグループ、合計16名が逮捕、さらにローンを申し込んだ6名が書類送検された事件がメディアで取り上げられ、大きな話題となりました。なぜ不正はなくならないのでしょうか。事件を取材しました。
-住宅ローンは不動産投資に利用できない-アパートや賃貸マンションの購入に際し、住宅ローンは利用することができません。なぜなら住宅ローンは「契約者本人またはその家族が居住するための住宅」を購入するためのものであり、そのため優遇された金利設定がなされているからです。一般的な相場だと、住宅ローンの金利は0.5~4.0%程度、一方で賃貸物件を購入する際に利用できる不動産投資ローンは1.5~8.0%と、数字上はかなりの差があります。当然、金利的に有利な住宅ローンを利用して投資物件を購入すれば、月々の返済額が少なく済む分、オーナーへの手残りは増えます。不正な行為だと分かっているにも関わらず住宅ローンを悪用して投資物件を購入する輩が一向に減らないのは、こうした事情からです。
昨年11月に逮捕された16名の男女が行った行為は、実に悪質だと言わざるを得ません。報道によると、逮捕された16名は東京や神奈川にある6カ所の土地や住宅を購入する目的で、2023年に複数の金融機関から、繰り返し融資金をだまし取ったとされています。その総額は約3億円。繰り返し、しかも複数の金融機関を騙したという点を見ても、その悪質性が際立っていたことが分かるかと思います。
明らかになった手口は実に巧妙なものでした。年収の偽装、源泉徴収票の偽造、代役の準備など、2年前に話題になったネット配信ドラマ「地面師たち」さながらのグループ犯罪でした。しかも融資金を得た指示役とそのグループは、建築業者に金融機関に提出した計画の半額程度で済む、質を落とした住宅を建てさせてその差額を着服していたそうです。聞いて呆れるとはこのことで、お金のためならなんでもやるという姿勢がよく表れています。
そもそも彼らのような悪徳業者たちは、過去に多くの逮捕者が出ているにもかかわらず、住宅ローンの不正利用をやめようとしないのでしょうか。仮にうまく騙し取ることができたとしても、最後までバレずに隠し通すことができると本気で思っているのでしょうか。こうした事件に詳しい専門家は次のように指摘します。
「融資を引き出すところまではできるでしょう。しかしその後、返済が終わるまで不正を隠し通すことはほとんど不可能だと思います。不正を支持する側は融資を引き出したらそれで終わり、分け前を手にして逃げれば終わりかもしれませんが、融資を受けた人間はそこから何年も隠ぺいを続けなければなりません。その間、金融機関から送られてくる郵便物や確定申告の内容などにずっと気を配っておかなければならないのだから、精神的な負担は相当なものになるはずです」
うまく金融機関を騙して融資を引き出せたとしても、融資を受けた人間はそこからは地獄のような生活が続くことになるわけです。家賃収入の手残りだけで割に合うとは到底思えません。万が一、不正がバレた場合は、融資金の一括返済が求められるだけでなく、以降の金融機関との取引が困難になり、さらに法的措置までとられることになります。それこそ人生は破綻します。
住宅ローンの不正利用は、全部がそうだとは言いませんが、大半が業者サイドから話を持ち掛けてきます。万が一、そうした話を持ち掛けられても、絶対に話に乗ってはいけません。目の前の大金に目が眩んだが最後、その先には悲惨な人生が待っているだけです。
自宅購入のための住宅ローンを不正利用した詐欺が横行しています。ここ数年だけでも数多くの逮捕者が出ているにもかかわらず、いまだに後を絶ちません。昨年末にも複数の若者に住宅ローンを利用させて投資用の物件を購入させたとして、指示役とされる東京都江東区の不動産会社役員とそのグループ、合計16名が逮捕、さらにローンを申し込んだ6名が書類送検された事件がメディアで取り上げられ、大きな話題となりました。なぜ不正はなくならないのでしょうか。事件を取材しました。
-住宅ローンは不動産投資に利用できない-アパートや賃貸マンションの購入に際し、住宅ローンは利用することができません。なぜなら住宅ローンは「契約者本人またはその家族が居住するための住宅」を購入するためのものであり、そのため優遇された金利設定がなされているからです。一般的な相場だと、住宅ローンの金利は0.5~4.0%程度、一方で賃貸物件を購入する際に利用できる不動産投資ローンは1.5~8.0%と、数字上はかなりの差があります。当然、金利的に有利な住宅ローンを利用して投資物件を購入すれば、月々の返済額が少なく済む分、オーナーへの手残りは増えます。不正な行為だと分かっているにも関わらず住宅ローンを悪用して投資物件を購入する輩が一向に減らないのは、こうした事情からです。
昨年11月に逮捕された16名の男女が行った行為は、実に悪質だと言わざるを得ません。報道によると、逮捕された16名は東京や神奈川にある6カ所の土地や住宅を購入する目的で、2023年に複数の金融機関から、繰り返し融資金をだまし取ったとされています。その総額は約3億円。繰り返し、しかも複数の金融機関を騙したという点を見ても、その悪質性が際立っていたことが分かるかと思います。
明らかになった手口は実に巧妙なものでした。年収の偽装、源泉徴収票の偽造、代役の準備など、2年前に話題になったネット配信ドラマ「地面師たち」さながらのグループ犯罪でした。しかも融資金を得た指示役とそのグループは、建築業者に金融機関に提出した計画の半額程度で済む、質を落とした住宅を建てさせてその差額を着服していたそうです。聞いて呆れるとはこのことで、お金のためならなんでもやるという姿勢がよく表れています。
そもそも彼らのような悪徳業者たちは、過去に多くの逮捕者が出ているにもかかわらず、住宅ローンの不正利用をやめようとしないのでしょうか。仮にうまく騙し取ることができたとしても、最後までバレずに隠し通すことができると本気で思っているのでしょうか。こうした事件に詳しい専門家は次のように指摘します。
「融資を引き出すところまではできるでしょう。しかしその後、返済が終わるまで不正を隠し通すことはほとんど不可能だと思います。不正を支持する側は融資を引き出したらそれで終わり、分け前を手にして逃げれば終わりかもしれませんが、融資を受けた人間はそこから何年も隠ぺいを続けなければなりません。その間、金融機関から送られてくる郵便物や確定申告の内容などにずっと気を配っておかなければならないのだから、精神的な負担は相当なものになるはずです」
うまく金融機関を騙して融資を引き出せたとしても、融資を受けた人間はそこからは地獄のような生活が続くことになるわけです。家賃収入の手残りだけで割に合うとは到底思えません。万が一、不正がバレた場合は、融資金の一括返済が求められるだけでなく、以降の金融機関との取引が困難になり、さらに法的措置までとられることになります。それこそ人生は破綻します。
住宅ローンの不正利用は、全部がそうだとは言いませんが、大半が業者サイドから話を持ち掛けてきます。万が一、そうした話を持ち掛けられても、絶対に話に乗ってはいけません。目の前の大金に目が眩んだが最後、その先には悲惨な人生が待っているだけです。



