リフォーム取引販売士に聞きました~工事途中でリフォーム業者が夜逃げ!~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2026.02.23

リフォーム取引販売士に聞きました~工事途中でリフォーム業者が夜逃げ!~

リフォーム取引販売士に聞きました~工事途中でリフォーム業者が夜逃げ!~
着手金目当ての悪徳業者に注意

「数日に一度、工事の進捗具合を見に行くのがとても楽しみにしていました。しかしある日、いつものように様子を見に行くと、作業員が誰もいなかったんです。ちょうど昼前だったので早めのランチにでも行っているのかなと思いまっていたのですが、13時を過ぎても誰一人戻ってきません。おかしいと思って担当の方に電話をしても繋がらない・・・。もしかして今日は休みなのかなとも思いましたが、翌日以降も作業員は誰も来ませんでした・・・。さすがにおかしいと思って事務所を訪ねたら、倒産を報せる貼り紙が・・・。その場でしばらく立ち尽くしました」

 こんな話は信じられないかもしれませんが、工事の途中でリフォーム業者が倒産してしまうことがたまにあります。もちろん、倒産にはさまざまな事情があり、業者だけを一方的に責めることができない場合もありますが、中には倒産すると分かっていながら契約し、前金を持ち逃げする悪徳業者もいます。もしもそうした事態に遭遇してしまったらどうすれば良いのでしょうか?実例を交えて解説します。

 そもそも工事中の倒産は、滅多に起こることはありません。しかし、昨今の建築資材と人件費の高騰により、その可能性は以前よりも高まっています。今はわずか数カ月で資材価格が変わってしまう時代です。契約時には○○万円で仕入れられていた部材が、着工する頃には値上がりしているなんてことがよくあります。結果、業者は赤字で工事を請け負わなければならなくなり途中で倒産、ということが実際に起こっています。工事業者からすればそうしたリスクを少しでも軽減するために、施主に対してあらかじめ高めの金額を提示しようとします。施主からすれば「高過ぎる」となり、契約は不成立に。まさに絵に描いたような悪循環です。リフォーム業者も人を抱えている以上、固定費は毎月発生します。こんな状況が何カ月も続けば、資金繰りは悪化し、いずれ経営破綻してしまいます。
 それでは、工事の途中で業者が倒産してしまったらどうすれば良いのでしょうか?実際に、過去に被害に遭われたという下石達人さんのケースを見てみましょう。神奈川県横浜市にお住いの下石さんは、2年前に当時築35年の自宅のフルリフォームを行いました。工事を発注したのは、地元の安さをウリにした業者でした。工期は2カ月の予定で、工事代1350万円。支払いは着工時と1カ月後、工事完了後の3回という契約でした。
 工事は順調に進み、2回目の支払いまで無事に完了。しかしその直後、下石さんはまったく予想だにしない事態に巻き込まれてしまいました。
 工事期間中、下石さんは家族とともに近くにある下石さんの実家に居候していました。現場が近いということもあり、下石さんは2、3日に一回は様子を見に行っていたそうです。しかし、2回目の支払いが終わった2日後に様子を見に行ったところ、現場には誰もおらず、工事も行われていませんでした。最初は昼食にでも行っているのかなと思ったそうですが、待てども暮らせども作業員が返ってくる様子はなく、おかしいなと思った下石さんは、担当者の携帯に連絡してみることにしました。しかし電話はつながらず、すぐに留守番電話に。

「今日は休みなのかな?」

その日が休日だという連絡を受けていなかったため多少の不安は感じたものの、下石さんは翌日に出直すことにし、その日はそのまま帰宅したそうです。
しかし翌日、改めて現場に足を運んだ下石さんは唖然とします。なんと前日に引き続き、業者が来ていなかったのです。

「一体どうなっているんだ?」

下石さんはその足で、現場から30分ほど離れた場所にある業者の事務所に向かいました。そしてそこで、驚愕の事実を知りました。

「事務所は電気が付いておらず、人がいる気配がありませんでした。入口に近づくと、一枚の紙が貼られていました。見ると、そこには「倒産」と書かれていました。まさに開いた口が塞がらない状態で、5分くらいその場に立ち尽くしました」

 後で分かったことですが、業者は2日前には夜逃げしてしまっていたそうです。下石さんは一体どうすれば良いのでしょうか?
 下石さんが優先したのは、工事の再開でした。実家という居候先があるとはいえ、いつまでも甘えるわけにはいきません。知人の伝手を辿って工事を引き継いでもらえる業者を探し、3週間後に何とか再開にこぎつけたそうです。この時点で、残念ながら2回目に支払った代金450万円は無駄になってしまいました。ある程度、工事の目処がついた段階で弁護士に相談し、損害賠償を請求する準備にも入ったそうですが、一般的には倒産した会社からお金を取り戻せる可能性はほとんどありません。実際、下石さんにはお金は1円も戻ってこなかったそうです。
 工事については、引き継いだ業者のおかげで、予定よりもひと月ほど遅れたものの、無事に終えることができたそうです。

「たまたま工事を引継いでくれる業者が見つかったため、無事に工事を終えることができましたが、普通は他の業者が放り出した現場を引き継いでくれる業者はなかなかいないそうです。とりあえず事なきを得てほっとしました。とはいえ、450万円を持ち逃げされたことを考えると、心中は複雑です」

 こうした被害に遭わないようにするためにはどうしたら良いのかでしょうか?対策の一つとして、第三者機関の保証制度に加入しているリフォーム業者に依頼することをお勧めします。万が一、工事中に倒産した場合もこれなら安心です。悪徳な業者に騙されないためにも、業者選びを慎重に行うようにして下さい。リフォームに関するトラブルでお悩みの方は、お近くのリフォーム取引販売士に相談してみてはいかがでしょうか。