DMMオンラインサロン~第7章 デューデリジェンスでわからないこともトップ面談でわかる⑯~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2026.03.02

DMMオンラインサロン~第7章 デューデリジェンスでわからないこともトップ面談でわかる⑯~

DMMオンラインサロン~第7章 デューデリジェンスでわからないこともトップ面談でわかる⑯~
面談の流れと自己紹介③

 前号に引き続き、面談のポイントについて解説します。

②個人・法人資金繰りの問題

 バトンズやトランビに出ている案件の8割は実質的な赤字会社です。赤字会社は事前にリスクの範囲を想定して購入する必要があります。この場合は「急ぎで売却ということですが、なぜ急ぎなのですか」と質問をしてください。この質問で正直に「お金がないので」と答える人はいません。「最近体調が悪くなってきたので」「他にやりたいことがあったので」と返答されます。それに加えてもう一言添えられてきます。「本当は基盤ができたところなので慌てて売りたくなかったのですが・・・」「あとは社員を増やすだけでもっと利益が出る体制になるのですが」「今この状況ですので、希望価格よりも割り引いてお売りしますよ」などです。先方はとにかく急いで売りたいのです。もしかしたらあと半年赤字が続くと倒産してしまうような状態なのかもしれません。もしくは社長が会社から利益をもらえずに半年以上働いていて疲れてしまったこともあるでしょう。どちらにせよ社長の生活費も厳しいことが想定されます。

売主会社の事業内容や財務内容が良くない場合のトークをご紹介します。

「このような事業は認知されるまでの初期投資にお金がかかるので、はじめが大変ですよね」
「どうしてもはじめは、広告宣伝費や人件費にお金がかかるので、資金繰りが大変になりますよね。これから利益が出るようになるはずなのに売却してしまうのですか?」
「コロナや円安の時期はどうしても費用先行で利益がなかなか出ないですよね。もう少し我慢しなくても良いのですか?」

これら質問には

「私は貴社の業界のことをよく理解していますよ。適当にごまかしてもバレますよ」

という意図が含まれています。誰しも自分に実力がなく赤字に陥ってしまった状況は認めたくないものです。あくまでも赤字になったのは社長の実力がなかったのではなく、時期や環境に問題があったからですよね、というトークにするとこれをきっかけに色々と内情を話してくれます。

「そうなのです。円安の影響で通常よりもコストが増えました」
「コロナの影響で外国人労働者が来なくて利益が減りました」

など、赤字になった理由や儲からなくなった理由が次々に出てきます。
 企業の資金繰りが悪くなり、早期売却したいケースの中には「株式譲渡ではなく事業譲渡したい」「子会社だけを売却したい」という場合もあります。急いで売却を希望しているので、悪いことはあまり教えてくれません。もっと酷いときは、虚偽の決算書を出してくることもあります。つまり詐欺案件です。そんなことはないだろうと思われるかもしれませんが、私のところにも実際に結構なペースで詐欺案件と見られる情報が回ってきます。民事事件になると詐欺を証明することも難しいので、よくよく注意してください。
 すべて教えてくれることはありませんが、借金についても詳細を確認してください。なぜ借金をしたのか、今誰からいくら借りているのか、などです。売主法人で借用書を巻いているケースもありますし、売主法人が原因で借金が返済できないのであれば、事業内容を見直す必要があります。資金繰りの悪い会社は、会社分割か事業譲渡で隠れ負債を引き継がないようにして買収しましょう。会社分割して買収後に残った会社が倒産してしまった場合、分割したもう片方に貸し付けを行っていた銀行から訴えられる場合があります。そういった意味でも、個人・法人の借金の範囲がどこまで及ぶのかを知っておく必要があります。逆にこのような案件はリスク承知で安価で買収できることもあります。先方が騙すつもりで騙されたというくらいシロ詐欺になったつもりで購入してください。

③決算上の時期の問題

 「今年はたまたま大きな工事があった」「コロナ需要でマスクが大量に売れた」「円安の影響で為替差益が大きかった」など、会社を経営していれば今期だけ通期よりも利益が大きかったので売り逃げしたいと考える会社は多いです。それを見破るためにも、5年分の決算書をもらいましょう。さらに帝国データバンク等で過去の売上利益を把握するとより信憑性が増します。また、売上の中身も聞いてください。売上の詳細はいつも税理士に任せていて作っていないという会社は要注意です。売上の中身が分かれば、ここ最近売上が上がった部署や案件が一過性のものなのかどうか分かります。飲食事業で言えば、タピオカやわらび餅ドリンク・高級食パンは一過性の案件です。
 一過性かどうか確認するため「ここ最近は儲かって仕方がなかったのではないですか?」と質問してください。例えば

「ここ数年は円安の影響で特に儲かったのではないですか?」
「最近オリンピックの影響で大型受注が合って儲かったのではないですか?」
「不謹慎な言い方で申し訳ありませんが、震災の影響で忙しかったのではないですか?」
「会社の前のベントレーは社長の車ですか?儲かっている会社は違いますね」

などです。
「今までは良かったと思いますが、来年からは悪くなるのではないですか」と核心をついてしまうと、先方も繕って話をします。

「いや、そこまで悪くなっていませんよ」
「売り上げは減りましたが、利益字体の着地は変わらないです」

など、売主は自分の会社を高く買ってもらいたいので、売却価格が下がる材料になるような話は否定してきます。あえて良い話は積極的にしてもらうような質問をします。「そうなのですよ。オリンピックの影響で新しい取引先が増えたのです」という回答が返ってくれば、新しい取引先の利益は一過性のものかもしれないので、それは除外して考える必要があります。利益が数社の取引先に偏っていないかも確認が必要です。全体的に取引先の単価が上がったのであれば会社の実力かもしれませんが、取引先の1社のシェアが70%以上であるような場合で、かつそこの会社だけ単価が上がっている場合は、取引先リスクがあります。特に注意が必要です。

(次号へ続く)