DMMオンラインサロン~「購入決定後の失敗事例検証②」~(第6回)|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.04.03

DMMオンラインサロン~「購入決定後の失敗事例検証②」~(第6回)

DMMオンラインサロン~「購入決定後の失敗事例検証②」~(第6回)
リスクを知ることこそ成功への一番の近道

(失敗④利益よりもキャッシュフロー

もしかしたら、

「リニューアルオープンの改装費用を出さなければ、借り入れは400万円で済んだかもしれない」
「来月まで待ったら、予算内で買える案件が出てきたかもしれない」
「奥様が事業主となって政策金融公庫に起業支援を申し込んだら友人から借りなくても済んだかもしれない」

成功を想像することは難しいが、失敗を考えてそれをひとつひとつ潰していくことは難しくない。

「お客様が少なくなっても会社は維持できるのか?」
「仕入れ価格が2割上がっても会社は赤字にならないのか?」
「パートを1名増やしてもオーナーの給料は取れるのだろうか?」
「1年で返せる計画だが、最悪のケースを考えて金利を付けて5年での返済計画でお願いしよう」
 
はじめから悪くなることを想定して、計画を立てていれば潰れることもなかっただろうし、もっと利益を上げることもできたはずである。
経営にはラッキーパンチもあるが、アンラッキーパンチもある。目に見えないリスクをどこまで想定できるかが、経営者の実力を問われる。

失敗⑤契約書の意味と仲介業者の役割

「仲介会社さん、前オーナーと面談したときに、新しいショッピングモールには飲食店が入らず、有名店アパレルショップが多く入ると聞いたのですが・・・」

-そんな話をしましたかね?計画が変わったのではないですか?-

「今いるパートさんは昔からいるからしばらく辞めないと思うと言っていましたが、来月で辞めたいと言われました。話と違うじゃありませんか」
 
-従業員の進退までこちらで強制はできないですからね・・・-

「他にも聞いていたことと違う点がたくさんあります。仲介会社さんはここの場所なら儲かるって言っていたのに・・・。これでは訴えるしかない!」

-訴えても無駄ですよ。仲介会社は責任を取らないと契約書に記載されています。契約書を読みませんでしたか?

「そんな細かい文章までは読んでいませんでした・・・」

-契約書のここに買主の責任って書いてあるじゃないですか?-

仲介会社の立場では、わざわざ仲介が失敗するような情報はあえて流しません。言うことを鵜呑みにしてしまうと、大変な目に遭うので注意が必要です。


失敗⑥契約書の意味と買主責任

ここ数カ月、売上が良かったのは、前オーナーが引退するということで、昔のお客様が久々に来店されたり、地元の商店街の仲間や青年会議所等が後の記念にと、団体で使ってくれたことが要因なのかもしれません。
買主さんは、以前はほとんど利益が出ていなかったといいますが、ここ最近に限っては少ないながらも利益が出ていたのは事実です。それだけで前オーナーを訴えるということはできません。

「でもここ最近は右肩上がりだと聞いたから決断したのに・・・」

売主は買主にお店を高く買ってもらうことが最後の商売です。仲介会社は、後で訴えられないようにして早めに仲介を成立させることが商売です。もちろん、このようなことばかりではありませんが、このようなこともあると思ってM&Aをすることが大切です。
でも失敗しないコツは簡単です。はじめからこのようなリスクがあると思って購入すれば失敗しないのです。リスクを知ること、それが成功への近道です。


(次号へ続く)

(プロフィール)
藤田精(ふじた・たくみ)
M&A・不動産・経営コンサルタント。現在、DMMのオンラインサロンで『M&A買収王と組む 営業利益1億円を目指す 投資・経営サロン』を運営中。著者「闘将野村 弱小企業を一流へと導く新経営論」(幻冬舎)。2022年、NHKで M&A の買収王としてテレビで紹介される。2021 年は、1 年間で 11 社約 50 億円の購入実績があり、毎年投資予算100 億円を目標に買収と事業承継・経営支援を行っている。
(サロン概要)
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